肝臓病は運動してはいけない・・・
肝臓病には安静が必要ですが、だからといって毎日家でじっとしていては精神的ストレスがたまってしまいます。
ストレスは、肝臓病治療の大きな妨げになり、ストレスが増すと肝臓へ流れる血液の量が減少するため、肝臓に負担がかかります。
そして、それがつづ<と肝臓の働きが低下してしまうためです。
適度な運動はストレス解消のため、肝臓病の回復のためにもおおいに役立ちます。
最近では、急性肝炎や慢性肝炎の患者さんに対しては検査結果を見ながら、そのつど適当な強度の運動を指示する治療法が主流になっています。
これはに体を慣らし、仕事や社会生活に復帰するための準備にもなります。
具体的な運動量はG0T、GPTの値を目安に設定します。
●300u/リットル以上
運動は禁止で、安静にして肝細胞の破壊を最小限にくい止め、肝再生をはかります。
●300~100u/リットル
散歩などのごく軽い運動から始め、10分かけて200~300mを歩く、ゆっくりした散歩を10分ずつ午前と午後に行います。
●100u/リットル以下
散歩の2倍のスピードで歩いてもよいです。
場合によってサイクリング(平地のみ)、ポーリング、スケート、乗馬(並み足)、ビリヤーザなども行えます。
過食や運動不足による脂肪肝は積極的な運動が、代償性肝硬変は空腹時を避けた適度な運動が必要です。
肝臓病になったら必ず1~4週間に一度は検査を受け、医師と相談して運動量を決めるようにします。
肝臓の障害に油断は禁物なのです。
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肝臓の負担にならない飲酒量・・・
肝臓をいたわりながらお酒を楽しむには、適量を守ることがたいせつですが、「適量」とはどのくらいの量をいうのでしょうか。
肝臓のアルコール処理能力は、資料をもとに割り出して計算すると、一般的には「日本酒1合(180ml)を分解するのに4時間かかる」といわれます。
これから考えると、一晩を8時間とすれば、日本酒なら2合が限度ということになります。
ビールなら大びん2本、ウイスキーならダブルで2杯がだいたいの目安です。
これ以上飲むと、肝臓は一晩ではアルコールを分解処理しきれなくなります。
ただし、適量には個人差があり、その人の肝臓のアルコール処理能力によって違ってくるのです。
では、自分の適量を知るためにはどうすればよいのでしょうか。
目安としては、適量とは「二日酔いにならずに飲める量」と考えられます。
一晩に3合までなら次の日に持ち越さないという人であれば、3合以下がその人の適量です。
また、反対に2合で気分が悪くなる人は、ご自分の適量を超えて飲んだことになります。
そのときの体調によっても飲める量には多少違いがありますが、何度か飲むうちに適量がわかってくるのではないかと思います。
酒に強いか弱いかは、性別などのほか、各人が遺伝的に持っている酵素の遠いにも影響されます。
アルコールは肝臓に運ばれると、ADHという酵素により有害なアセトアルデヒドに分解されたあと、ALDHという酵素により酢酸に分解されます。
このとき、半数の日本人には、アセトアルデヒドが低濃度のときに働くALDHがないため、有害なアセトアルデヒドが速やかに分解できずに体に残ってしまいます。
そのために少量の酒でも赤くなり、悪酔いや二日酔いになる人がいるのです。
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飲み過ぎを予防する方法・・・
酒をちゃんぽんで飲むと、悪酔いや二日酔いをしやすいといわれます。
酒の好きな人は「まずビール」で始まって、次にウイスキー、日本酒と次々に酒の種類をかえて飲みつづけます。
ビールならビール、ウイスキーならウイスキーと同じ種類の酒だけでは、飽きてしまってたくさんは飲めないからです。
ちゃんぽんがいけない理由は、そこにあります。
口当たりが変わるので結局、飲みすぎてしまうのです。
飲んだアルコールの総量が肝臓の処理能力を超えなければ問題はありません。
しかし、コントロールはむずかしいもので、ビールの次に楽しむ酒は、せめて1種類にとどめておくことがたいせつです。
アルコールは「少しずつ体に入れる」飲み方をおすすめで、なぜなら、肝臓が余裕を持って処理できるからです。
たとえば日本酒なら、口当たりのよい冷やは、ぐっと一度にたくさん飲めるので量を過ごしがちです。
しかし、爛をつけておちょこでちびちび飲むと、アルコールをゆっくり体に入れることになります。
ウイスキーや焼酎でも同じことで、ストレートよりはわって飲むほうが、少しずつアルコールが体に入るので、肝臓をいたわることになります。
なお、ウイスキーや焼酎などの度数の高いアルコールは、粘膜への刺激も強く、胃壁を傷めがちです。
食道がんや咽頭がんがお酒飲みに多いことからも、飲みすぎには注意したいところです。
また、「駆けつけ三杯」でからっぼの胃の中に酒が入ると、胃は、待ってましたとばかりにアルコールを吸収し始めます。
そのスピードは、物を食べながら飲むときの1.5~2倍になり、血中のアルコール濃度のピーク値も高くなります。
このスピードでアルコールが体のすみずみまで血液に乗って一気に駆けめぐるわけですから、酒が「五臓六腑にしみわたる」のは当然です。
ところが、お酒のうまさに浸っている間、肝臓のほうは吸収されたアルコールを分解しようと、フル回転を余儀なくされています。
すきっ腹にアルコールを流し込むと、刺激で胃の粘膜がやられてしまうこともあります。
酒の席では「食べながらゆっくり飲む」のが、胃や肝臓に無理のない飲み方です。
また、酒だけを飲んで食事をとらないと、肝臓が元気に働くために必要なタンパク質やビタミンなどの栄養素が不足して肝臓に無理がかかりやすくなります。
反対に、食べながら飲むと、胃や腸に血液が集まるように、肝臓の血流もふだんの7~8割増しになります。
血液に浸された海綿のような肝臓は、血流が増すと働きやすくなります。
「一口食べては、箸をおいて、酒を飲む」といった飲み方をつづけていれば、飲むスピードも自然と遅くなります。
すると、血中のアルコール濃度のピークもあまり高くならないので、肝臓も余裕を持ってアルコールを分解できるうえ、飲酒量も無理せず減らせます。