睡眠を誘うメラトニンとセロトニンとの関係は?
メラトニンは脳の中の松果体でつくられるホルモンで、眠っている間にセロトニンからメラトニンが作られるんです。
太陽が上がるとともにセロトニンが作られはじめて、太陽が沈むとともにメラトニンが作られるんです。
メラトニンの作用はは脳の体温を下げて睡眠を誘発するんですね。
セロトニンの材料は必須アミノ酸のトリプトファンで、トリプトファンからセロトニン、セロトニンからメラトニンが作られるんですね。
バランスの取れた食生活で、トリプトファンを上手に摂取することが、セロトニンの分泌、さらにはメラトニンの分泌を高めるんです。
トリプトファンはアミノ酸なので、タンパク質の多い食品にたくさん含まれているんです。
肉や魚はもちろん、豆腐や納豆などの大豆製品、牛乳やチーズなどの乳製品、ピーナッツやアーモンドなどのナッツ類、バナナなどなんです。
メラトニンが十分に作られるにはセロトニンが十分に作られていなければならず、セロトニンが不足しているとメラトニンも不足して、よく眠れないといったことが起こるんです。
セロトニン神経の活動は睡眠中は弱くなりほとんど分泌されず、それに代わってメラトニンが分泌されるんですね。
夜メラトニンが十分に出て深い睡眠がとれるためには、昼間セロトニンが十分に分泌されていることが前提となるんですね。
またですね、眠る3時間くらい前から室内を少し暗くして、メラトニン分泌を促すのが良いんです。
また、この時間帯にパソコンやスマートフォンなどの操作はできるだけ避けるようにしてくださいね。
電子機器のディスプレーから発せられるブルーライト系の強い光は睡眠の質を低下させるんですね。
また、携帯電話からの電磁波はメラトニンを分解してしまうんですね。
メラトニンには睡眠を誘発する以外にも、心臓血管系を保護する、成長ホルモンの生成を刺激して免疫力を活性化させるといった大切な働きがあるんです。
またですね、メラトニンには、季節のリズム、睡眠・覚醒リズム、ホルモン分泌のリズムといった 概日リズム(サーカディアンリズム)を調整する作用があるんですね。
概日リズムとは?
体温やホルモン分泌などを調整している体内時計は、25時間周期で動いているんですね。
これを概日リズムというんですが、地球の1日の周期は24時間ですよね。
このズレを調整するのが日光で、毎朝、日光を浴びると、睡眠・覚醒リズムが整い、質のよい睡眠を得られるようになるんですね。
夜に明るい光を浴びることや、明るい場所で眠ることは、メラトニン分泌を減らし、良い睡眠を妨害するんです。
太陽の光を浴びると、脳から信号が出され、脳内でのセロトニンの合成が活発になるんです。
昼間にセロトニン、夜間にメラトニンの好循環を作り出すために朝日は特に大切なんですね。
朝日といっても、直接日光を浴びる必要はなく、曇りの日の照度でも体内時計をリセットするには十分なんです。
朝起きて、カーテンを開けるなどして明るい光を浴びることが大切なんですね。
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母親になるオキシトシンとは?
赤ちゃんがお母さんのおっぱいを口にくわえて乳首を吸うと、それが刺激になって、お母さんの脳の中でオキシトシンというホルモンがたくさん作られ、脳から分泌されるんです。
その結果として、乳腺でたくさんおっぱいを作り出すんです。
それが、オキシトシンというホルモンの働きなんですね。
このオキシトシンはただ単におっぱいをたくさん出すように身体的に働きかけるだけではなく、脳自体にも働きかけるんです。
おっぱいがたくさん出るようにすると同時に、それまでの女性の脳から母親の脳に変えるんです。
女性の脳と母親の脳は決定的な違いは、女性の脳は第一優先順位が自分自身なんですが、母親の脳は第一優先順位が子供になるんですね。
ですので、おっぱいをあげている母親は自分の命を犠牲にしても、子供のために行動するようになるんです。
オキシトシンの受容体は前頭前野も含めていろいろな部分にあるんですが、特に人間の情動に関係する脳に働きかけて変えるんです。
子供のためであれば恐怖心がなくなって、何でもできるという脳になるんですね。
子供のためには、自分の命を投げ出すということも可能になるんです。
動物の母親は子どものためであれば恐怖心がなくなり、自分が襲われる危険を目しても餌をとりに行きますよね。
オキシトシンの役割が人間をはじめ哺乳類でわかってきているんですね。
お乳をあげる行為は哺乳類だけの行為ですから、魚類、鳥類、爬虫類などではオキシトシンは出ないようです。
ですので、母乳を与えるという行為は、ただ単に赤ん坊にお乳を与えて育てるだけではなく、母親自身が母親の脳に変わり心が変わる働きがあるんですね。
逆にですね、赤ん坊に母乳を与えなければ、オキシトシンは十分に分泌されないと考えられるんです。
母乳を与えずにミルクで育てると、女性の脳から母親の脳へと成長しない可能性もあるんです。
児童虐待など子どもに対して虐待行為を行う母親は、母乳を与えないで育てたのかもしれないですね。
ただ産んだだけでは母親にはならないわけですから、母乳で育てるということは女性が母親になるうえではとても大切なことなんですね。
それに対して、母乳で育つ子供の脳が変わるかどうかはわかっていません。
ただ、抱いておっぱいを与えるというスキンシップは、母親にとってだけでなく赤ん坊にとってもいい影響を与えることは確かなんですね。
母親に抱かれるなど親の愛情を多く受けて育った子供のオキシトシン量は、母親の愛情を受けずに育った子どもに比べて高かったというデータもあるようです。
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オキシトシンの効果とはどんなもの?
オキシトシンは母性に関係するだけではなく、男女の愛情にかかわるホルモン、スキンシップに関係するホルモンで、男女ともにオルガスムスのときに一番出るのがオキシトシンなんです。
男女がお互いにスキンシップをし合うことで、オキシトシンが出るんですね。
男性が赤ちゃんを触ってもオキシトシンが出ますので、男性でも赤ん坊を抱いたり撫でたりするとやさしい気持ちになるんですね。
心の安定、愛情という気持ちを誘発するホルモンがオキシトシンなんです。
今までもスキンシップは大切だといわれていましたが、神経科学的にオキシトシンというホルモンの分泌だということがわかってきたわけなんです。
赤ちゃんとお母さんの乳首を介したスキンシップだけではなく、スキンシップで出るんですね。
スキンシップ、触れ合いなどは双方向性ですから、おっぱいを飲んでいるときの赤ん坊にも出ている可能性があるわけなんです。
触るほうも触れられるほうも、いい気持ちになってストレスが解消するんですね。
ペットをなでるとオキシトシンが出ますが、なでられているペットも心地よさそうになるのはオキシトシンが出ているからかもしれませんね。
そして、オキシトシンが出ると相手を信頼するようになるんです。
オキシトシンの作用は相手を信頼したり、愛情を感じたりすることと関わっているんですね。
メラトニンやセロトニン、オキシトシンのことなどいろいろ話しましたが、参考になれば幸いです。