脂質異常の原因とは?
脂質異常(高脂血症)とは、次のいずれかの状態をいうんです。
・LDL(悪玉)コレステロール値が高い
・中性脂肪値が高い
・HDL(善玉)コレステロール値が低い
高脂血症というと、コレステロール値が高いと悪いと思いがちですが、HDLコレステロール値は高いほうがいいんですね。
内臓脂肪と関連が深い脂質は、中性脂肪とHDLコレステロールなんです。
内臓脂肪が増え、インスリンの作用が弱まると、中性脂肪が増加します。
HDLコレステロールは中性脂肪が分解される過程でできるんです。
つまり、中性脂肪が増えるとHDLコレステロールは減り、中性脂肪が減るとHDLコレステロールは増えるんです。
内臓脂肪が増えるメタボリックシンドロームの場合には、中性脂肪値が高くなり、HDLコレステロール値は低くなる、ということになるんです。
中性脂肪値が高いと動脈硬化が進行することは、調査で明らかになっているんです。
血管壁の中に中性脂肪が溜まるわけではないのに動脈硬化が進むのは、LDLコレステロールが血管壁への取り込みを促進するためなんです。
中性脂肪が多いとLDLコレステロールの粒子が小さくなり、酸化して超悪玉といわれる酸化LDLコレステロールになりやすいんですね。
スポンサードリンク
家族性高脂血症とは?
家族性高脂血症は遺伝が関与した高脂血症で、その大半は家族性高コレステロール血症と家族性複合型高脂血症なんです。
家族性高コレステロール血症は、500人に1人くらいにみられる病気なんです。
若い時からLDLコレステロール値が高く、65歳以前に心筋梗塞を起こしやすいため、診断がつきしだい薬を服用する必要があるんですね。
眼瞼黄色腫(がんけんおうしょくしゅ)や結節性黄色腫もみられますが、最も特徴的なのはアキレス腱の肥厚なんです。
アキレス腱にコレステロールが沈着するため厚くなるんです。
手で触ってもある程度分かりますが、レントゲン検査をして、厚さを測定します。
家族性複合型高脂血症は、100人に1~2人くらいの頻度で起こるんですが、コレステロール値と中性脂肪値が、同時期あるいは時期を変えて高くなるんです。
日本人の65歳以下の心筋梗塞患者の3分の2は脂質異常症で、その3分の2は国民の2%しかいない家族性高脂血症なんです。
何かの病気により、二次的にコレステロール値が高くなっているのを二次性高脂血症といいます。
最も多い原因は、自己免疫性の甲状腺機能低下症で橋本病と呼ばれているんです。
橋本病はよくみられる疾患で、中年以降の女性の8%程度にみられるといわれているんです。
甲状腺を自分のリンパ球が攻撃し炎症を起こしてしまうので、自己免疫性という名が付いています。
甲状腺機能が低下すると代謝が落ちるので、体温や血圧が下がったり、物忘れが多くなるんです。
また、体重も増えてきます。
LDLコレステロール値は上がりますが、甲状腺ホルモンを投与することにより、比較的短期間で改善するんですね。
スポンサードリンク
コレステロールや中性脂肪を下げるには?
コレステロール値を下げるには、動物性脂肪やコレステロールの摂取を減らす必要があるんです。
コレステロールの8割は肝臓で作られるんです。
健康な人では食事からのコレステロールの摂取が増えると肝臓での産生が抑えられるので、卵を5個食べてもコレステロール値は変わらないんです。
しかし、コレステロール値の高い人は、この調整機能がうまく働かないため、卵を食べると上昇するんですね。
動物性脂肪を減らすには、ベーコン、コンビーフ、サラミソーセージ、ウインナー、霜降り肉など、特に脂肪の多い食品を減らし、魚、納豆、豆腐などのおかずを増やすようにするんです。
野菜、海藻、きのこなどの繊維質を多く摂ると、体外に排泄されやすくなるんですね。
中性脂肪も動物性脂肪の過剰摂取で増えていくんです。
脂肪だけ食べる人はいないですから、おそらく肉やバターと共に摂取しているわけなんです。
こういったものを減らすようにするんですね。
糖質も関係しますが、特に清涼飲料水やケーキなどの甘い飲み物や果物のとり過ぎは中性脂肪値を上げる原因になるんです。
肥満したり、運動不足でも増えていくんです。
甘いものと、脂ものを同時に摂るのは特によくないんですね。
甘いものを摂ることによりインスリンが大量に分泌され、それが脂質を体脂肪として取り込むんです。
中性脂肪値は、運動しながら減量できれば比較的短期間で下がるんです。
中性脂肪値が高い場合、子どもなら清涼飲料水やお菓子、女性なら果物やケーキ、男性ではアルコール摂取によることが多いので、まずこれらを減らしていくことが大切なんですね。
いろいろ中性脂肪やコレステロールについてお話しましたが、参考になれば幸いです。