セロトニンとドーパミンは幸せをくれる?
ストレスにはノルアドレナリンストレスとドーパミンストレスがあるんです。
そしてですね、同じように幸せについても二つあるのではないか、とも考えられるんですね。
それは、ドーパミン的な幸せとセロトニン的な幸せなんです。
ノルアドレナリン的な幸せというのはないんですね。
ノルアドレナリンは適度なストレスをもたらす場合にはよい効果はあるんですね。
それは緊張感をもって仕事などをするときに役立つのであって、幸福感をもたらすわけではないんですね。
ですので、ノルアドレナリンは幸せとは関係ないんですね。
それに対して、ドーパミン神経とセロトニン神経はうまく働いていれば、快や喜び、心の平穏というようなことをもたらしてくれるんですね。
ドーパミン神経が活発に働くのは欲望が充足されるときで、ドーパミン的な幸せとは自分の欲望にそって、自分の欲しいものを手に入れ、自分の夢を実現するような幸せなんですね。
目標を設定してそれに向かって努力する結果、あるものを得ることができて達成感、満足感を得るんです。
そして、さらに次の目標を立てて努力するんです。
こうして当面の目標をクリアして、一歩一歩大きな目標や夢の実現に向かう。
これがドーパミン的な幸せなんですね。
自分の夢や欲望の充足は確かに大切なことなんですが、一つの欲望が充足されるとまたさらにもっと、もっとと次々に欲望が大きくなるんですね。
欲しいものが手に入ったらさらに高価なものが欲しくなる、あるいは別のものが欲しくなる、というように、人間の欲望には際限がないんです。
人間の欲望がどんどん拡大するからこそ、人類はいまのような高度な文明を築いて、豊かな生活を実現してきたともいえるんです。
そういう意味で現在の豊かな生活は、ドーパミン的な幸せを追求してきた結果ということもできるんですね。
しかし逆にいえば、はるかに豊かで恵まれた環境に暮らしているにもかかわらず、なかなか満足できなくなってしまった、幸福感を感じられなくなった、ということもできるんです。
求めているものをいったん得ても、すぐにまた別のものが欲しくなるんです。
そして以前と同じような快感では満足できなくなり、より大きな刺激をさらに求めるんですね。
常に欲望を充足できればいいのですが、いずれは充足できなくなり、その不快感が残るようになるんです。
快より不快が強くなり、得たものに対する満足感よりも、得られなかったことの不満感のほうが強い状態になるんですね。
それとは別に、セロトニン的な幸せはドーパミン的幸せのような何かを手に入れたときの満足感ではないんですね。
物やお金を手に入れることが目標ではなく、誰かのために、その誰かが喜んでくれると自分がうれしくなるといった幸せなんですね。
ドーパミンをたくさん分泌させて欲望を追いかける・・・
ドーパミン神経にずっと駆られているような生活が本当に幸せなのか?
確かに欲望が充足されたときに一時的な快楽はありますが、それを繰り返していても心の安定は得られないのかもしれませんね。
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セロトニン不足にはリズム運動が良い?
セロトニン神経を活性化する基本は、太陽の光を浴びることとリズム運動をすることなんです。
朝、太陽を浴びて、30分程度ウオーキングすることなんですね。
なぜ30分程度なのかといえば、セロトニン神経を活性化するには疲れない程度というのが大切なんですね。
ダラダラと一時間歩くよりも、30分ぐらい集中して歩くのが効果的なんですね。
周囲の景色を見ながらのんびり散歩するというのはリラックスするには良いんですが、セロトニン神経を活性化するにはあまり効果はないんですね。
またですね、スポーツクラブなどで目の前にテレビなどがあるマシンで、テレビを見ながら歩いたりジョギングすることも効果が薄いんですね。
それはカロリーを消費してダイエット効果はあるかもしれませんが、歩いていること、走っていることに集中しなければセロトニン神経の活性化には効果は薄いんですね。
セロトニン神経の活性化には、速足で歩く、軽くジョギングするなど、少しきつめの運動が集中できるので良いかもしれませんね。
朝でも昼間でも太陽の光を浴びながら、速足で30分程度歩けばセロトニン神経が活性化されます。
そして、疲労感はなく、気分がすっきりするんですね。
毎日続けることでセロトニン神経が活性化して、さらにその状態が維持されるようになるんです。
朝のウオーキングだけではなく、昼間もう一度外に出て、太陽を浴びながら30分くらいウォーキングかジョギングをすれば、セロトニン神経の活性化のためにはさらに効果的なんです。
室内で仕事をする時間が多い人は、昼休みに外に出て歩くのがいいんですね。
昼もう一度セロトニン神経を活性化すれば、午後からもセロトニンを下げずに仕事を続けることができるんですね。
また、意識的に腹筋を使って呼吸を繰り返す呼吸法もリズム運動になって、セロトニン神経の活性化になるんです。
吐く息を長めにするように意識して、ゆっくりと呼吸に集中するんです。
頭の中で呼吸を数えれば自然に呼吸に集中でき、ちょっとした合間を使ってこの呼吸法をすれば気分も切り替わるんですね。
また手軽なのは噛むことで、阻噛もリズム運動なのでセロトニン神経を活性化してくれるんです。
食事のときによく噛むのは消化にいいだけではなく、セロトニン神経の活性化にも効果があるんですね。
ガムを噛むことも良いんです。
野球選手がガムを噛みながらプレーをしていますが、それによってセロトニン神経が活性化して落ち着いてプレーができるんですね。
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セロトニンを活性化するには継続?
セロトニン神経を活性化するには、継続しなければならないんですね。
リズム運動をしてセロトニン神経を活性化させても、すぐには効果が出てこないんですね。
一時的にセロトニンが多く分泌されても、余分なセロトニンはセロトニン自己受容体の働きで抑えられてしまうので、なかなかある一定レベル以上にはならないんですね。
また、セロトニンレベルがある程度高い状態になっても、時間がたてば徐々に元に戻っていくんですね。
セロトニンレベルを高く維持するには、数日間セロトニン神経に刺激を与えるだけでは足りないんですね。
高いセロトニンレベルを維持できるようにするには、セロトニン自己受容体の働きを変えなければならないんです。
継続的にセロトニン神経を活性化して、セロトニン自己受容体を繰り返し刺激し続ける必要があるんです。
すると、セロトニン自己受容体の数が減少してくるんですね。
セロトニン自己受容体の数が多いと、セロトニン神経の活動レベルが落ちて、セロトニンの放出が少なくなっていくんです。
このセロトニン神経の抑制が強い状態が続くと、ストレスをうまく解消できなくなり、うつになったり、キレやすくなったりするなど、感情のコントロールがきかない状態になるんです。
セロトニンをある程度高いレベルに保つためには、セロトニン自己受容体の数が少ないほうがいいんですね。
そのためには、ウオーキング、ジョギング、あるいは他のリズム運動などを短時間でも続けることが大切なんです。
日頃からストレスが強くセロトニン神経を弱らせている人は、3か月は続ける必要があるんです。
それはセロトニン自己受容体を調節する遺伝子が変わるのに、3か月はかかるからなんですね。
あまり効果が出ないからといって、止めないで続けることが大切なんです。
ですので、あまり考えすぎないでリズム運動を心がける、ということだけを意識していれば、自然とできているものなんですね。
そして、3か月以上続けていれば気分の変化を実感できるはずなんです。
3か月以上たてば、セロトニン神経がある程度高いレベルで維持されるようになるからなんです。
とにかく止めないで、気楽に続けていいですからね。
止めてしまうと、またセロトニン神経の働きが落ちて元に戻ってしまいますからね。
習慣として続けることで、セロトニン神経の活性を維持することができますからね。
セロトニンについていろいろお話ししましたが、参考になれば幸いです。