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メタボの診断基準にはコレステロール値が入っていない・・・
メタボリックシンドロームとは、いくつかの条件が重なって、動脈硬化が進行しやすく、動脈硬化性疾患の発症の危険性が高い状態のことです。
その条件とは、内臓脂肪型肥満があることに加えて、血液中の脂質値の異常や血糖値、血圧値が上昇することです。
しかし、メタポリックシンドロームの診断基準には、LDL(悪玉)コレステロール値の上昇が入っていません。
その理由は、メタポリックシンドロームは、高LDLコレステロール血症とは独立した動脈硬化を進める危険性の高い病態だからです。
メタポリックシンドロームに見られる脂質異常症は中性脂肪の増加やHDL(善玉)コレステロール値の低下です。
その他に、血糖値や血圧値の上昇も条件になりますが、糖尿病や高血圧の診断基準には該当しないものの、それより少し低めの血糖値や血圧値が基準値になっています。
つまり、脂質値、血糖値、血圧値のひとつひとつについて、少しずつ悪い状態が集積しているのが問題なのです。
高LDLコレステロール血症が動脈硬化の主要な危険因子であることは明らかであり、それに対する治療の効果も確立されています。
そして、高LDLコレステロール血症とメタポリックシンドロームが合併する場合には、狭心症や心筋梗塞などの冠動脈疾患がいっそう起こりやすくなるので、両方に対する治療を行うことが必要になってきます。
なお、メタポリックシンドロームの予防や治療には、食事・運動といった生活習慣を改善し、肥満を解消することが特に重要です。
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内臓脂肪型肥満を改善する方法とは・・・
メタポリックシンドロームの要因である内臓脂肪型肥満の解消にはコツがあります。
実は、内臓脂肪には皮下脂肪にくらべて減らしやすいという特徴があるのです。
内臓脂肪型肥満であり、ダイエットしたほうがよいという患者は、4カ月で、ほんの2㎏やせれば治るのです。
元の体にもよりますが、よほどの肥満でない限り、2kgやせれば、中性脂肪値、血圧値、血糖値の問題も解決します。
1カ月に500gずつ減らせばよいのです。
お腹の周りが、ベルトの穴2つ分細くなれば、しめたものです。
ほんの2㎏とはいえ、2リットルのペットボトル1本分の脂肪が、お腹の中から消えるのだと考えれば、その価値の大きいのです。
体重を2㎏減らすことができたら、次の目標として、その体重からさらに5%マイナスすることに努めます。
60㎏の人ならマイナス3kg、80㎏の人ならマイナス4㎏を目標にするのです。
ダイエットのコツは、食べすぎないこと、それから、脂っこいもの、甘いもの、主食、アルコールに注意することです。
まず、お酒やお菓子、果物、ごはんやパンを減らします。
これらは、内臓脂肪のもととなる中性脂肪に変わりやすいのです。
その分、魚や大豆製品でタンパク質をきちんととり、野菜やきのこ、海藻などはたっぶりと食べます。
運動も欠かせません。
ウオーキングやダンベル体操などをすることをおすすめですが、くれぐれも無理はしないことです。
元気で長生きというのは、だれもが目指す道です。
お腹の内臓脂肪を減らすということはそのために必要な絶対条件ですから、楽しく、地道に改善にとり組んでいきます。
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食事と運動で小型LDLコレステロールを減らす方法とは ・・・
中性脂肪値が高い人は小型LDLが多い可能性があります。
血液中に中性脂肪がふえると、LDLが小型LDLに変わりやすくなるのです。
中性脂肪値が高い人は、ご飯やパン、めん類などの炭水化物性の食品を多くとり、甘いお菓子やジュース類を好む傾向があります。
とりすぎた糖質をエネルギーとして使い切れず、余った糖質が中性脂肪に変わってしまうのです。
食生活のリズムも関係があります。
夜おそく食事をすることが多かったり、夜食をよくとったりすると、中性脂肪値が上がりやすくなるのです。
また、小型LDLが多い人は、体つきでもある程度わかります。
腰回りにあまり脂肪がついておらず、男性に多いお腹だけがぽっこり出た体型なのです。
これは、いわゆるりんご型肥満と呼ばれる内臓脂肪型肥満です。
女性に多い洋梨型肥満タイプは、皮下脂肪は多いものの、内臓脂肪はそれほど多くないので、意外に小型LDLは少ないものです。
小型LDLを減らすには、まず血液中の中性脂肪を減らすことがたいせつです。
食事の注意点としては、三度の食事をきちんととって、間食や夜食は控えるようにし、お菓子やアルコールのとりすぎを避けます。
中性脂肪が多い人は野菜をとる量が少なく、栄養のバランスが偏っています。
野菜やきのこ、海藻をよく食べて、食物繊維を多くとることです。
また、青背の魚に多く含まれるDHAやEPAなどの脂肪成分は、小型LDLを減らす効果がふるので、青背魚を積極的に食べます。
大豆食品を多く食べることもおすすめです。
大豆に含まれる大豆タンパクには、血液中の余分なコレステロールを減らしたり、余分な中性脂肪を排出する働きがあります。
小型LDLを減らすうえでもたいへん役立ちます。
食事の改善だけでなく、体を動かすこともたいせつです。
運動というとおっくうがる人も多いのですが、日常生活の中でよく歩くだけでいいのです。
1日1回でいいので、5~10分程度歩くことを心がけるだけでもよいのです。
そのくらいなら苦労なくできるはずです。
慣れてきたら、時間や回数を少しずつふやしていけばいいのです。
また、駅などではエスカレーターなどを避け、極力階段を使って歩くよう心がけることです。
階段を上がり下りするだけでもかなりの運動量になります。
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コレステロールを下げるには運動を続ける・・・
コレステロールや中性脂朋を減らすためには、食生活の改善のほかに、適度な運動をする必要があります。
なぜなら、運動不足が肥満を招くと同時に、脂質の代謝に異常を招き、それが血液中のコレステロールや中性脂肪をふやす一因になるからです。
ただし、だからといって、これまで大して運動をしてこなかった人が、急に運動を始めるのは、とても危険です。
体力や筋肉は当然のことながら低下していますし、そのうえコレステロールや中性脂肪が多いとなれば、運動をすること自体が突然死を招くおそれがあるのです。
まずは、運動を始める前にホームドクターや「運動指導士」の資格を持つ人に相談し、現在の自分の体力に見合った運動メニューを作ってもらうのがよいです。
ちなみに、運動によって消費する1日のエネルギーは、150kcalが目安です。
体重60kgの人なら、1分間に00m以上の速さで5km歩けば、150kcalのエネルギーを消費することになります。
スポーツが苦手な人や毎日忙しい人には、運動や運動療法は非常にめんどうというイメージがあるかもしれません。
しかし、誤解しないでほしいのは、運動あるいは運動療法とはいっても、必ずしもスポーツ一をする必要はありませんし、あえて時間を割いて行うものでもないということです。
また、無理は禁物で、無理をして行うと、かえってストレスがたまって体調をくずしかねません。
無理をせずに、できる範囲で体を動かす工夫をすればよいのです。
●買い物に行くときには自動車や自転車を使わないで歩く
●エレベーターやエスカレーターを使わないで階段を使う
●ダラダラ歩かないで、速足歩きをする
●布団の上げ下げはすばやく行う
運動療法を行うにあたって最も大事なことは、長くつづけることです。
運動療法は、少なくとも始めてから2~3カ月たたないと効果があらわれません。
食生活や年齢、運動の方法によっても個人差があるので、マイペースで細く長くつづけるようにします。
そこで、運動療法を長く続けるための秘訣は次のようなものです。
○ひとりでできる
○お金がかからない
○いつでも、どこででもできる
○勝ち負けを競わない
○手間や時間がかからない
ただし、いくらつづけることが大事でも、天気の悪い日や体調のすぐれない日に、無理して行う必要はありません。
1日や2日休んだところで、それまでの努力がムダになるわけではないのです。
臨機応変な対処も、運動療法を長つづきさせるコツなのです。
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