隠居生活がストレスになる?
隠居生活はストレスのない生活だと思いますよね。
現実の社会から身を引いてしまえば、わずらわしいことから解放されて心の安定をもたらしますよね。
ただですね、それが本来の人の心のあるべき状態なんでしょうか?。
社会生活をしていれば、職場の人間関係の悩みや仕事上の悩みがつきもので、日々いろいろなストレスがありますよね。
そうした生活から離れて、ストレスがなるべくない状態に置くのが人間にとって幸せなのかどうか?、ということなんですね。
現実の中でいろいろなことに直面し、悩んだり苦しんだりしながらも、喜び、楽しみがあって、そこで心の喜怒哀楽を働かせて幸せを求めていくというのが、人間だとも考えられるんですね。
ドーパミン、ノルアドレナリン、セロトニンという脳内物質がすべてバランスよく働いている状態が、人間らしい幸せな状態だともいえるんですね。
ストレスのない状態というのはドーパミンやノルアドレナリンがあまり働かず、セロトニンだけが働いている状態なんですね。
セロトニン神経を活性化することは大切なことなんですが、ドーパミン神経もノルアドレナリン神経も活性化するバランスのとれた生活が大切なんですね。
セロトニンだけの生活は穏やかな生活で、頑張って疲れることはないかもしれませんが、ドキドキするような刺激も、心ときめかすようなこともなくなるかもしれないんですね。
実際に定年で会社、仕事から離れて自由になると、それがかえってストレスになってしまう人のほうが多いといわれているんです。
いざ定年になったら、何をしていいかわからなくなって落ち込んでしまうというのは、よくある話なんですね。
これまでのような仕事関係、人間関係のストレスがなくなり、ストレスフリーになったのに、かえって落ち込んでしまうんですね。
これは外からのストレスはなくなるのですが、内から出てくる渇望ストレスが出てこなくなってしまった状態なんですね。
ですので、外からの刺激、ストレスがなくなるというのは必ずしも幸せではないんですね。
特に男性は定年で仕事をやめてしまうと、人間関係もほとんどなくなってしまうことが多いんです。
奥さんは子どもの学校や地元の活動、趣味などで、それまでに人間関係を培ってきているんです。
しかし男性は子どもの教育も地元の活動などもすべて奥さん任せで、仕事以外の人間関係はほとんどないんですね。
そのため定年になったとたんに、人間関係がほとんどなくなってしまうという人が多いんですね。
奥さんは始終出かけて行くのに、自分だけは家で留守番、外出する奥さんに何時に帰るのかうるさく聞いたりするんです。
奥さんにとっては、一日中家にいる夫のための食事の支度がストレスになったりするんです。
定年になれば、今までのように毎日外に出て行く必要がなくなりますよね。
外に出ることもストレスですし、人と会うのもストレスですから、家の中で一人でゆっくりしていればストレスがないように思えるかもしれませんよね。
でもですね、まったく刺激もなくストレスもないことが、かえってストレスになってしまうんですね。
ですから、外に出て適度なストレスを求めたほうがいいんですね。
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隠居生活でも刺激が必要?
隠居で家に引きこもりがちになるのを何とかしようとすれば、外に出なければならないんです。
会社を定年になってしまったら、以前の会社に自分の居場所はありませんよね。
いきなり家に引きこもるのではなく、ある程度のペースで行けるような居場所を見つけることが大切なんですね。
外に出れば自然と人と接しますから、もう一回新しい人間関係をつくることにチャレンジすべきなんですね。
自治会など地域活動でもいいですし、趣味でもいいですし、何かのボランティア活動でもいいんですね。
外に出れば、いろいろな人との出会いもありますからね。
家に引きこもりがちな人にとっては、まず外出するのがストレスになるんです。
新たに出会う人と話したり、新たなことをするというのはさらにストレスになるんですね。
でもですね、外に出て行ってそんなふうにストレスを感じながら苦労して、新たな人間関係を築いていくことが、脳にとって大切なんですね。
そしてですね、定年後のさまざまなストレスは、仕事をしているときとは決定的に違うんですね。
仕事に伴うストレスは、簡単に自分で解消できないものですよね。
しかし、定年後の自分の活動に伴うストレスは、嫌だと思ったらやめることができるんですね。
自分に合わないと思ったら、無理して続けることはなく、やめても別に問題は生じないですよね。
興味に応じて、また別のことを始めてみればいいんですね。
自分のお金と自分の時間で自由にできるわけなんです。
家族のため、生活のためにお金を稼がなければと、無理をして耐えてきた面が大きいわけですが、もうその必要はないんですね。
自分の満足、自分の幸せだけを考えればいいんですから、そのストレスも自分で適当にコントロールできるんですね。
ストレスがないぼんやりした生活ではなくて、適度なストレスを自らに課して、ある程度刺激的な生活を送るほうが体も脳も老化しないんです。
そのストレスの程度を自分でコントロールできるのが、定年後の生活なんですね。
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隠居生活はドーパミンを活性化する?
隠居生活前から趣味を持っていて、それを思い切りやりたいと思っていたというような人は、その趣味の世界を楽しめばいいですよね。
でもですね、仕事以外はほとんど趣味らしい趣味などないという人も多いんですね。
そんな人はまず外に出るようにして、その時々の自分の興味に応じていろいろ試せばいいんですね。
それが適度な刺激やストレスになりますし、新たな人間関係をつくるきっかけにもなりますよね。
また、まったく無趣味で仕事だけが趣味だという人は、できるだけ長く仕事を続けるというのも一つの方法なんです。
定年のない仕事の場合は体力、知力が何とかなる限り、仕事を続けることができますよね。
それまで自分がやってきた仕事の蓄積を生かすことができるんですからね。
経済的に心配がないのならば、そうした技術が何らかの形で生かせるのならば、別にお金にならなくてもいいですもんね。
また、趣味を仕事のように一所懸命にやるのもいいことですよね。
一所懸命にやれば、かなり忙しくなりますよね。
熱中できて続けることができるものを探せばいいんです。
別に趣味といっても、朝の散歩でもジョギングでも、庭いじりでも町歩きでも何でも趣味といえるんです。
それを生活習慣の中に取り入れればいいんですね。
何もしないでいると、かえって人間は生きがいを失うものなんです。
老後をいかに豊かに生活するかと考えるときに、経済的な安定はたしかに大切ですが、お金が第一ではないんですね。
これまでのように頑張る必要はないんですが、適度なストレスはかけなくてはいけないんですね。
そのストレスは、隠居生活になっても人の中に出ていく、それまでの会社人生とは違っても社会生活を続けることなんですね。
またですね、目標を設定するとドーパミン神経が活性化するんです。
目標といっても、仕事のノルマや出世などに絡んだものである必要はありませんからね。
自分の好きな趣味の世界で目指すべき目標を設定すればいいんです。
目標を設定しないと、趣味もなかなか長続きしないんですよね。
年をとってからはじめたことは若い頃のように上達しないですし、時間をおくとすぐに忘れてしまうんです。
おもしろいというところまで上達するのに時間がかかるんです。
だからこそ、まずは低い目標を設定して少しずつ続けていくことが大切なんですね。
隠居生活についていろいろお話ししましたが、参考になれば幸いです。