コレステロールが下がる歩き方とは・・・

コレステロールが下がる歩き方とは・・・

さまざまな運動の中で最も手軽にできる運動療法の原点はウォーキング、つまり歩くことで、中でも、コレステロールや中性脂肪を最も効果的に減らす歩き方があります。

全身の持久力の50%の運動強度で歩くことで、この歩き方が体内の脂肪を効率よく燃焼してくれるのです。

研究では、214人の中高年の女性に、1日に20分以上、週3日以上の頻度で、運動強度50%で歩いてもらいました。

そして、100日後の血液中の脂質の量を調べてみました。

すると、血中の総コレステロール値は平均で9㎎/dl減少し、中性脂肪は平均で6.4㎎/dlも低下していたのです。

さらに、動脈硬化指数(動脈硬化の進みぐあいを示す指数)も、平均で2.63から2・46まで低下していました。

つまり、運動強度50%の歩行で、コレステロールが下がるだけでなく、動脈がやわらかくなり、血管が詰まったり切れたりするような発作を起こしにくくしてくれるということがわかったのです。

では、全身の持久力の50%の強度で歩くとは、具体的にはどうすればよいのでしょうか。

実は脈拍数を目安にして歩けばよいのです1その脈拍数は次の式で求めることができます。

50%強度の脈拍=(最高脈拍-安静脈拍)×0.5+安静脈拍

なお、最高脈拍は(220-年齢)で求め、安静脈拍は安静状態で1分間の脈拍を計測します。

計算式にあてはめると、「50%強度」の運動は、40~60才では、およそ1分間に105~125拍くらいに脈を打つ運動になると思います。

歩き方は、両腕を前後に大きく振り、歩幅は身長の半分よりやや小さめにします。

さっさ、さっさ、とテンポよく5分ほど歩いたら、立ち止まって10秒間、脈をとってみます。

その脈拍数を6倍した数を、目標の50%強度の脈拍とくらべ、歩くペースを調整します。

脈拍数が少なければ少し速く歩き、多ければゆっくり歩くようにします。

歩く時間は、1回あたり20分以上を目安にし、30~40分が理想で、ふだん運動していない人は10分程度から始めて少しずつふやしていきます。

これを過に3~4日、つづけ、少なくとも週に1日歩くようにすれば運動効果を下げずにすみますたいせつなのは継続することです。

歩く時間帯はいつでもOKですが、ただし、早朝に行う場合には、ストレッチなどの準備運動をしてから歩くようにします。

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コレステロールを下げる簡単な方法とは・・・

コレステロールを減らすのに運動が必要といっても、年齢や体力、体調によって事情は変わります。

そこで、高脂血症をはじめ、高血圧や糖尿病などの生活習慣病をかかえている人でも、年齢を問わずに手軽にできるのが、太ももを床と平行になるまで高く上げるその場足踏みです。

この運動で重要なのは、太ももを床と平行になる高さにまで上げることです。

行う時間は一日にたったの3~4分で、体への負担がそれほどかからず、それでいてウォーキングよりも消費カロリーが多く、太ももをはじめ全身の筋肉を効率よく強化できます。

この運動をすると、体脂肪を減らすと同時に、脂質異常症や高血圧、糖尿病、心臓病(狭心症や不整脈)などの改善に大きな効果があります。

また、軽度の腰痛や膝痛、胃腸障害(便秘、下痢)などにも
有効であることがわかっています。

その場足踏みが、こうした効果をあげる理由は、太ももを腰の位置まで高く上げることにあります。

太ももを水平に持ち上げるためには、太ももの前部にある大腿直筋、お腹の内臓のさらに後ろにある大腰筋、腰骨の内側にある腸骨筋などの筋肉を中心に、下半身の筋肉をダイナミックに使います。

すると、これらの筋肉に多量の血液が流れ、心臓にも多くの血液が流れ込みます。

安静時には、心臓から出る血液の50%は胃や腸など、内臓を流れています。

ところが、その場足踏みをすると、筋肉を動かすために血液のほとんどが心臓をはじめ、活動している筋肉へと移行するのです。

心臓にはふだんの5倍もの血液が流れ込み、それとともに全身の血行がよくなります。

全身の血行が活発になることがその場足踏みの最大のポ
イントなのです。

その場足踏みのやり方は次のようにします。

①背筋を伸ばし、体をまっすぐにして立つ

②左膝が腰骨の高さまで上がるように、つまり太ももと床が平行になるまで足をすっと上げ、静かにつま先からおろす。

このとき腕は伸ばして、前後に大きく振る

③同じように、右足を太ももと床が平行になるまで上げておろすり腕は伸ばして、前後に大きく振る

④片足の上げ下げを1回と数えて、左足と右足を交互に繰り返して、その場で足踏みする

たったこれだけのことです。

ただし、

●太ももを床と平行になるまで高く上げること

●毎日実行すること

の2点だけは必ず守ります。

その場足踏みは、室内で場所をとらず簡単にできるため、楽に習慣づけて毎日行うことができます。

高齢の人や腰痛のある人は、いすや壁につかまって行ってもかまいません。

足踏みのスピードや回数は、自分のペースでかまいません。

行う回数の目安は、最初のうちは1日に10~20回から始めます。

そして、1カ月後には30~50回、3カ月後に100回、そして1年後には300回というぐあいに徐々にふやしていきます。

最終的には、3~4分間で300回というスピードと回数が目安です。

スピードはさておき、回数を200回前後できるようになるころから徐々に、病気や不快症状の改善効果がはっきりとあらわれてきます。

1日のうち、いつ行ってもいいのですが、食べ物の消化・吸収を妨げてしまう食後1時間と、血圧が高くなっている入浴の直後に行うのは避けます。

なお、この運動をさらに効果的にするコツがあります。

それは次に紹介する呼吸法を行いながら実行することです。

基本は腹式呼吸ですが、口から「フッフッフッフッフッフッ」と息を小刻みに6回吐き出し、鼻から「スッスッ」と2回吸い込むようにします。

足踏みのリズムに合わせて数を数えながら行うようにします。

この呼吸法は座禅の呼吸法をもとに考え出したもので、自律神経を調節して、心臓や胃腸など多くの臓器の働きを安定させ、心身ともに調和のとれた状態をつくってくれます。

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台の上り下りは運動量が多い ・・・

現代生活では、車やエレベーター、パソコンなどの便利な道具のおかげで、私たちが体を動かす機会は減る一方です。

ほとんどの人が慢性的な運動不足といっても過言ではありません。

これでは運動不足を一因とした脂質異常症などの生活習慣病が激増しているのも当然といえば当然です。

そうした生活習慣病の予防や改善のためには、日常的に体をこまめに動かすことが必要です。

そういった観点からウオーキングの効果が提唱されていますが、なかなかつづかないといった声もよく耳にします。

そこで、おすすめが踏み台昇降運動です。

高さ20Cmほどの台を上ったり下りたりする運動です。

実験の結果、踏み台昇降運動叡5分間行ったときの消費エネルギー125kcalにもなることがわかりました。

これは20~30分間ウォーキングしたときのエネルギー消費量と同じです。

踏み台昇降運動のエネルギー消費量は、ウォーキングの約5倍にもなるのです。

また、踏み台に上がるには、足を高く引き上げ、体重をかけて踏ん張らなければなりません。

この運動がまず腹筋に効きます。

腹筋はあらゆる運動の基本となる筋肉ですが、通常のウォーキングだけではあまり鍛えることができないので、この点でも踏み台昇降運動のメリットがあります。

踏み台昇降運動に使う踏み台は、高さが20Cmほどで、両足で乗って余裕のある大きさのものにします。

手ごろな台がない人は、段ボール箱などに詰め物をして作ってみます。

踏み台昇降運動は、「1、2、3、4…」とリズミカルに、台の上り下りを繰り返します。

スピードを上げる必要はありません。

息は少し上がるものの、おしゃべりはできる程度の速さで十分です。

つらく感じるようならスピードをおそくしてみます。

ときどき、踏み出す足の順番を左右入れ替えて行ないます。

時間は1回5分で、これを1日2~3回できれば理想的です。

続けているうちに体力がついてきたら、5分以上行なってもよいし、ダンベルなどを持って行なうのもおすすめです。

行なう場所は、カーペットやじゅうたんが敷いてある部屋、若しくは畳の部屋が最適です。

これは足が床に着地するときの膝などへの負担を軽くするためです。

板の間で行う場合は、下にマットのようなものを敷いたり、厚手の靴下をはくことをおすすめします。

また、お年寄りや足が弱っている人の場合は、安全のために壁に手をつきながら上り下りをするようにします。

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悪玉コレステロールとストレスの関係・・・

狭心症や心筋梗塞などのように、心臓の筋肉に血液が行かなくなって起こる病気のことを、虚血性心疾患と呼びます。

この虚血性心疾患を引き起こす危険因子には、高コレステロールなどの脂質異常症、高血圧、喫煙、糖尿病、肥満などがありますが、それらと並んであげられるあなどれない危険因子がストレスです。

ストレスを受けると虚血性心疾患を起こしやすくなるのは、ストレスが体に次のような影響を及ぼすからです。

体がなんらかのストレスを受けると、脳の交感神経が刺激されると同時に、下垂体も刺激を受けてACTH(副腎皮質刺激ホルモン)を分泌します。

すると、このACTHは腎臓の上にある副腎という臓器に働きかけて、カテコールアミンというホルモン存分泌させます。

このカテコールアミンには心拍(心臓の拍動)を増加させると同時に、血管を収縮させて血圧を上昇させる作用があります。

つまりストレスは心臓の発作を引き起こす条件を二つも三つも用意してしまうのです。

ストレスはまた、脂質代謝の異常を引き起こし、悪玉のLDLコレステロールを増加させます。

加えて、ストレスが蓄積されると、自律神経が乱れて食欲をコントロールできなくなり、肥満を招くことがあります。

この肥満もまた、LDLコレステロールをふやす一因になります。

さらに、ストレスは血栓をつくりやすくするともいわれています。

このように、心臓発作や動脈硬化と深い関係があるストレスですが、人によってそれに対する反応はさまざまです。

アメリカの精神科医の、虚血性心疾患の患者を対象にした、性格や行動パターンと病気の関連性の研究によると、ストレスにどう反応するかで、人間はA型とB型の2つのタイプに分かれます。

ストレスをうまく解消できるB型と、ストレスをすべてかかえ込んでしまうA型です。

いわば、おっとりしていてマイペース、リラックスしていて楽天的なB型の人にくらべ、A型の人のほうが心筋梗塞や狭心症を起こしやすく、また重症化しゃすいことがわかっています。

また、心臓の筋肉に血液を送っている冠状動脈の硬化の進みぐあいは、B型の人にくらべるとA型の人のほうが進んでいるという調査もあります。

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