糖尿病の原因は?糖尿病の合併症は?治る方法は?

糖尿病の原因は内臓脂肪?

脂肪細胞からは多くの生理活性物質(ホルモン)が分泌されているんです。

内臓脂肪が増えると悪玉ホルモンが増え、善玉ホルモンが減るんです。

そのため、糖尿病、脂質異常症(高脂血症)、高血圧、高尿酸血症、脂肪肝が引き起こされるんですね。

これらが重複してくると動脈硬化が進み、心筋梗塞や脳梗塞を起こしやすくなるんです。

内臓脂肪が増えると、血糖を下げるホルモンであるインスリンの働きを悪くするホルモンが内臓脂肪からたくさん作られるようになるんです。

逆に、皮下脂肪でつくられるアディボネクチンというインスリンの働きを良くするホルモンの産生も減るんです。

こうしてインスリンの働きが二重に悪くなると、その分、すい臓でインスリンをたくさん作って血糖値を下げようとするんです。

そのため、初期のころは、空腹時の血糖値の上昇はあまりみられないんですね。

この状況が長期間続くと、すい臓が疲れてインスリン産生能力が落ちてくるんです。

ある時点で急激に血糖値が上がってくるんですが、これがすい臓が疲れ果てたサインなんですね。

現在は肥満でなくても、過去に肥満歴のある人が糖尿病になりやすいのも、このすい臓の疲れが関係しているんです。

その肥満だった時期にすい臓に負担をかけたことが、回り回ってくるということなんですね。

糖尿病を発症した人の健診結果をさかのぼってみると、10年くらい、血糖値が徐々に上がってきて、ある時点で急激に上がる現象がみられるんです。

親、兄弟に糖尿病の方がいる場合は、8割が糖尿病になりやすい体質を受け継いでいるんです。

食事をした直後に大量に出るはずのインスリンがなかなか出てこないという体質なんです。

そのため、空腹時血糖値は正常でも、食後の血糖値が高くなりやすい状況になるんです。

それでもインスリンの作用が普通であれば、食後の血糖値も上がらないのですが、少しでもインスリンの効きが悪くなると、まず食後の血糖値が上昇するんです。

そして、高くなった血糖値を下げるためにより多くのインスリンが必要になり、インスリン過剰分泌状態になるんです。

それによって、すい臓の疲れも早まることになるんですね。

インスリンには脂肪を蓄える作用もありますから、インスリン過剰分泌になると内臓脂肪型肥満も加速されるんですね。

糖尿病は生活習慣が関与する2型糖尿病と、生活習慣と全く関係なく発症する1型糖尿病に大別されます。

日本人の糖尿病の95%以上は2型なんです。

1型糖尿病はウイルス感染や免疫異常が原因で起こります。

通常思春期に発症しますが、成人になっておきるケースもあるんですね。

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糖尿病の合併症とは?

糖尿病の合併症は大きな血管が障害を受ける、心筋梗塞 脳梗塞、閉塞性動脈硬化症と、小さな毛細血管が障害を受ける、網膜症、腎症、神経障害があるんです。

発症後25年で、神経障害はおよそ50%、網膜症は40%、腎症は30%程度みられるんです。

神経障害

足の先がしびれたり、足裏に紙が張りついているような感じがするなどの異常な感覚で気づかれることが多いようです。

次第に感覚がなくなり、やがて釘を踏んづけても分からなくなります。

そうしますと傷口から細菌が入り、足を切断することにもなりかねないんです。

糖尿病患者の足切断のリスクは健常人の40倍にもなるんです。

毎年3000人の方が、糖尿病が原因で足を切断されているんですね。

神経障害は触覚、痛覚、温痛覚のような末梢神経だけでなく交感神経のような自律神経も障害するんです。

起立性低血圧による立ちくらみ、逆流性食道炎による胸焼け、腸の運動障害による下痢、便秘、ED(勃起障害)、排尿障害なども起きるんです。

直接命に関わるのは無痛性心筋梗塞なんです。

心筋梗塞を起こしても痛みを感じないため、救急車を呼ぶこともできず、不整脈で亡くなられることも多いんですね。

腎症

腎臓は、尿を作る重要な臓器なんです。

有害物を体外に排泄したり、水分量の調整を行い、血圧を一定に保ったりしているんです。

赤血球を作るホルモンも作っています。

腎臓が障害を受けると、まず大事なタンパク質が尿の中にこぼれ出てしまい、タンパク質不足によるむくみがでます。

さらにに進行すると有害物質が血液中に溜まり尿毒症の状態になり、やがて尿が完全に作られなくなると体内に水分があふれだし心不全に陥るんです。

そのため、生きるためには人工透析が必要になるんですね。

現在、透析を行っている人は約25万人にも達しています。

世界中の透析患者の2割が日本人なんです。

人工透析には1人年間500万円の医療費がかかり、全体では1兆円を超えているんですね。

そしてですね、新規に透析を始める人の40%以上が糖尿病らしいんです。

通常、発症後5年くらいすると尿に微量のタンパクが出現し、15年くらいすると腎臓の機能が低下しはじめ、25年程度で透析に入るんです。

腎症を早期に見つけるためには、尿中の微量アルブミンを測定することがとても重要なんです。

腎症を抑えるためには、血糖コントロールだけでは不十分で、血圧、脂質にも気をつける必要があるんです。

塩分も控える必要があります。

1日、6g以下を目標にするんですね。

網膜症

糖尿病が原因で失明している人は年間で3000人にも達しているんです。

網膜症の発症、あるいは進行を抑えるためには血糖のコントロールをしっかり行うことが重要なんです。

糖尿病と診断がついた時から、糖尿病に詳しい眼科医と連携をとって診ていくことが必要なんですね。

網膜の毛細血管が詰まり、その先に血流が行かなくなる時期を増殖前網膜症というんですが、この時期にレーザー治療を行うかどうかが問題になるんですね。

そのまま進行すると血流が行かなくなった場所に新生血管が増殖するんです。

この血管は役に立たない血管で、構造ももろく、すぐに出血してしまうんです。

定期的にチェックしていないと、この大事な時期を見過ごしてしまうことになるんですね。

網膜症で症状が出現するのはかなり進行してからなんですが、黄斑部という物を見る神経が集中している場所にむくみがでると少量でも視力が落ちるんです。

初期に症状のでる人は大抵この黄斑症なんです。

高血圧や、腎症があると起こりやすくなるんですね。

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糖尿病が治る方法とは?

糖尿病を治す基本は、食事療法と運動療法なんですね。

すべての栄養素をバランスよく摂りながら、摂取エネルギー量を抑えていくんです。

1200キロカロリーの糖尿病食は、最低限度の栄養素が不足なく摂取できるんですね。

バランスがいいというのは、糖質は55~65%、タンパク質は15~20%、脂質は20~25%になる食事なんです。


参照:日本糖尿病学会編『糖尿病食事療法のための食品交換表』

食品交換表は80キロカロリーごとの典型的な食品を主な栄養素ごとに6表に分類して提示し、それと交換できる主食、主菜、副菜などをカラーで表示しているんです。

食品交換表では80キロカロリーを1単位としています。

ただ、食事療法だけで減量した場合には問題点があるんですね。

1つは筋肉量が減ってしまうことなんです。

体重が減っても体脂肪率は変わらないということになります。

ダイエットした後で再度太ると、無くなった筋肉の代わりに脂肪がつくんですね。

2つめは基礎代謝が減り、消費力ロリーが少なくなってしまうことなんです。

運動をしながら減量すると基礎代謝は落ちないんですね。

糖尿病の運動療法もメタボリックシンドロームの運動療法と同じなんです。

心拍数が90回/分以上に上がる運動を継続する速歩やジョギングのような有酸素運動が最も効果があるんですね。

こういった運動はインスリンの作用を高める効果があり、結果として血糖値が下がるんですね。

糖尿病についていろいろお話しましたが、参考になれば幸いです。

↓食後の血糖値が高めの方に↓

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