高尿酸血症を改善する食事は?
痛風の発作は命にかかわることはないんですが、転げ回るほどの激しい痛みが特徴なんですね。
この痛風の発作が起こる手前は、尿酸値が少し高いだけの状態、高尿酸血症の状態なんです。
この高尿酸血症の状態そのものは、痛みも自覚症状もなく、単に痛風の予備軍なんですね。
しかし、尿酸値は痛風とは別の観点でも関連があるんです。
高尿酸血症とメタポリックシンドロームとの関連性が明らかになってきたんですね。
メタポリックシンドロームと深く関連する動脈硬化性疾患は、今の日本人の死因の約3分の1を占めているんです。
尿酸値とメタポリックシンドロームの関連があるのは、内臓脂肪なんです。
たっぷり蓄えられた内臓脂肪からは、たくさんの遊離脂肪酸が放出されて、それを含んだ血液は門脈という血管を通って肝臓に運ばれるんです。
肝臓では遊離脂肪酸を過剰に含む血液が流れ込んでくると、プリン体の代謝が必要以上に活発になって、老廃物の尿酸が大量に作られるんです。
その結果、尿酸値も上昇してしまうんですね。
またですね、内臓脂肪が原因で尿酸値が上昇する別のメカニズムもわかってきたんです。
以前は遺伝的な体質のせいで尿酸値が上がる人が多かったんですが、今はこれに加えて内臓脂肪が引きがねになって起こる高尿酸血症が増えているんです。
つまり、尿酸値は内臓脂肪がたまっているかどうかで決まるんですね。
高尿酸血症はメタポリックシンドロームの診断基準には入っていませんが、注意事項に含まれていて、もし尿酸値が平均より高い値を示したときには、内臓脂肪の増えすぎも疑ってみる必要があるんですね。
痛風発作を防ぐことはできたとしても、根本にある内臓脂肪が減っていなければ、動脈硬化になりやすい体質は改善していないんですね。
尿酸値は内臓脂肪が蓄積されて、体の危険が高まっていることを示すサインなんです。
もし健康診断などで尿酸値に異常があることがわかったら、医師にメタポリックシンドロームやほかの生活習慣病の可能性があるかどうか、相談することが大切なんです。
高尿酸血症の人の数は、痛風の人の数の10倍以上の約500~600万人いるといわれているんです。
そのうちの7割は、メタポリックシンドロームの可能性があると考えられているんです。
もともと日本人は、節約型遺伝子という、エネルギーをため込みやすい遺伝子をもっている人が多いんですね。
これは飢餓や飢饉を生き延びるときにはとても役に立ちますが、現代では内臓脂肪や生活習慣病を増やしている一因となっているんですね。
さらに現代の日本人は、脂肪分の多い食事を好むようになり、そして運動不足ぎみなんです。
内臓脂肪は増えやすく、尿酸値が上昇しやすい生活を送っているわけなんです。
高尿酸血症にかかる女性も増加しているんですね。
女性は女性ホルモンの働きで、尿、酸がコントロールされていて尿酸値が上がりにくいんです。
それにも関わらず増えているのは、女性の食生活やライフスタイルが変化してきているためだと考えられているんですね。
つまり、誰もが内臓脂肪を蓄えすぎて、尿酸値が上がるリスクを負っているんですね。
血管性の病気や他の生活習慣病をもっておらず、尿酸値だけが高い状態なら、自己管理だけで尿酸値を改善できる可能性があるんです。
食事を見直して、運動を増やした生活を続けることなんです。
食事で注意が必要なのは、まず食べる量を減らすことなんです。
そして脂肪分が多い献立を減らして、野菜を増やすんです。
アルコールは種類を問わず、飲みすぎないようにします。
運動面では、ゆったりとした動きの有酸素運動が効果的なんです。
早く結果を出そうと、激しい運動をすると、かえって尿酸値が上がるので注意が必要なんですね。
散歩をしたり、エレベーター代わりに階段を使う程度でもいいので、とにかく体を動かす機会を増やすようにするんです。
まずはウエストサイズを減らすこと、尿酸値を改善することを目指すようにするんです。
3ヶ月ぐらいしたら、尿酸値と体重やほかの検査値をチェックしてみます。
尿酸値と一緒に体重や中性脂肪値などが同時に改善していれば、尿酸値上昇はメタポリックシンドロームにかかわっていた可能性が高いんですね。
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尿酸値を下げる運動とは?
尿酸値を下げることは食事を改善することや、適度な運動を生活にとり入れることで抑えられるんですね。
また、尿酸値を下げることは、1日30分以上のウォーキングで本当に効果があるんです。
しかし、なかなか長続きしない、運動をする時間を特別に作ることが難しいという人が多いようです。
そんな人は立っている時間をできるだけ長くするだけでも効果があるんです。
電車に乗っているときなどに、立っている時間を増やすようにするんです。
アメリカで行われた調査では、テレビを見る時間が長くなるほど肥満や糖尿病になることが証明されているんです。
また、24時間のうち、立っている時間と肥満の関係を調べた調査結果もあるんです。
やせている人の場合は、座っている時間が短く、立ったり歩き回っている時間が長かったんです。
それに対して、太っている人は座っている時間が長く、立っている時間が短いという結果が出たんですね。
立っている間は、こまめに動き回って家事などをこなしているんですね。
立っている時間の差は2時間半だったようですが、この間のエネルギー消費量の差は実に350kcalにもなるんですね。
これはご飯に換算するとお茶わん約2杯分にもなるんですね。
食事で食べたものは体のエネルギーとして使われたり、余ると体に蓄えられます。
そのエネルギー消費のうち、実は約50~60%が生命活動を維持するための基礎代謝で使われるんです。
約10%は食べたものを体が使える形に変換するために使われます。
残りの30~40%が身体活動によって使われるエネルギーなんです。
身体活動とは激しく体を動かすことだけではないんですね。
立っていること、歩くこと、階段を上ること、掃除や洗濯物をとり込んだりすることなど、日常生活の中で何げなく動き回ること自体がエネルギーを消費するんですね。
少しでも体を動かす機会を作ることは、難しいことではないですよね。
体を動かすように意識することだけで、日常の活動が少しずつでも増えていきますよね。
高尿酸血症や尿酸値についていろいろお話しましたが、参考になれば幸いです。