肝炎の予防は生活習慣の改善・・・
肝機能異常で多いのが、ウイルス性肝炎で、日本人に多く発症するB型肝炎とC型肝炎には大きな違いがあります。
B型肝炎は母子間の感染でない限り慢性化することもなく、肝硬変や肝がんにもなりづらい肝炎です。
C型肝炎は、感染するとその60%がC型慢性肝炎に、慢性肝炎から約半数の人が肝硬変になるといわれています。
C型肝炎から直接肝がんに移行する率は全体の5%にすぎませんが、肝硬変を起こしたあと、さらにその半数が肝がんになります。
C型肝炎の恐ろしさは、ここにあります。
B型肝炎とC型肝炎には大きな違いがありますが、アルコール性肝障害も含め、肝臓病を「生活習慣病の一つ」であると考えられます。
肝硬変、肝がんへの進行を予防するためには、ライフスタイルの改善が必要なのです。
肝臓病でない人も、ウイルスの感染を予防するためには、日常生活を正すことがたいせつです。
肝臓をいたわるために日常生活を正すとは、次の5つの生活習慣を実践することから始まります。
①睡眠を十分にとる
②高タンパク、高ビタミン、高ミネラルをバランスよくとる
③アルコールは控える
④ストレスをためこまない
⑤適度な運動をする
中でも最も気をつけたいのがストレスで、ストレスは免疫力を落とし、ウイルスをふえやすくします。
運動のやりすぎもよくありません、万病の元凶、活性酸素をふやすからです。
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肝臓病の自覚症状とは・・・
多少の無理には弱音を吐かずコツコツと働く肝臓の出すサイン、すなわち自覚症状や他覚症状は、がまんしきれなくなった肝臓の悲鳴で、肝臓が相当悪くなっている証拠ですので、放置しておくわけにはいきません。
肝臓が悪いとはっきりわかる自覚症状の代表格は黄疸ですが、黄疸が出ないこともあります。
黄疸以外の異常サインは「体がだるい」「食欲がない」といったように特徴がないため、「体調をくずしたかな」と誤解しがちな症状にすぎません。
肝臓ががまんの末に出した異常サインは、ささやかであることが多いものです。
慢性肝炎が進行して肝硬変になると、肝臓が再生できにくくなるために、次のようなさまぎまな自覚症状があらわれだします。
●女性化乳房
肝硬変になった男性の乳房が女性のようにふくらむ症状です。
肝機能の低下で女性ホルモンのエストロゲンを処理できず、女性ホルモンがふえて起こります。
●手掌紅斑(しゅしょうこうはん)
肝臓で処理できないエストロゲンが血液中に流入し、末梢血管が拡張するために血量がふえ、手のひらや指先が赤くなります。
●クモ状血管腫
首や肩、胸などにできる、クモが足を広げたような赤い斑点です。
●腹壁静脈の怒張
肝臓の血流が悪くなって門脈の血圧が高くなったため、おなかを蛇行している静脈が浮き出て見えます。
●腹水
おなかがガスで張ったり、体液がたまってふくらんだりします。
このほかに、ビタミンやミネラルの代謝も低下することから、足の筋肉がつるこむらがえりを何度も起こしたり、口臭がカビくさくなったりします。
このような症状が出たら、すぐに医師の診察を受けるようにします。
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薬を飲んで肝障害に・・・
飲んだ薬は肝臓で分解され、解毒されて体外に排出されます。
したがって薬を飲みすぎたり、強い薬を飲んだりすると肝臓に負担がかかり、場合によっては「薬剤性肝障害」という肝臓病をまねくことがあります。
この肝障害が起こる原因は2つあります。
薬は、炎症などの病気を治す化合物であるとともに、体にとっては異物、有害物質でもあり、そのため、体内に入ると患部を治すとともに肝臓に送られて解毒され、体外に排出されていきます。
しかし、薬が強かったり、多量に飲んだりすると解毒作用が肝臓の負担になり、肝臓を傷めるのです。
さらに薬は、強力な薬理作用によって体にアレルギI反応を起こきせることがあります。
これが、2次的に肝臓を傷める場合もあるのです。
アレルギー反応とは、体内の免疫機能が誤作動して、みずからの体を傷めつける反応なのです。
薬剤性肝障害を起こしやすい薬には、抗生物質や鎮痛薬、糖尿病の治療薬などがあります。
中でも抗生物質には、注意が必要で、抗生物質には、体内にいる細菌(生物)を殺す強い効力があるために、同じ生物である人間にも影響を与え、内臓や体を傷めることがあるからです。
薬を歓んだときに飲酒することも危険です。
薬による肝障害を防ぐには、主治医が処方した薬以外は、絶対に飲まないことです。
肝臓病以外の病気の治療を受けている場合は、その事実と治療でもらっている薬品名を主治医に伝えることがたいせつです。