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うつ病のチェック
うつ病が疑われる場合、下記チェック項目をどれぐらい当てはまるかを確認してみてください。
□興味を覚えることがない
□根気よく物事に取り組めない
□落ち込みや悲しい気分が続いている
□おっくうで、仕事や家事が進まない
□涙ぐむことが多い
□悲観的になることが多い
□将来のことより、過去にとらわれている
□この世から消えたいと思う
□スポーツや趣味に意欲的に取り組めない
□夜中に起きてしまい、朝まで眠れない
□食欲がなく、食事をおいしく食べられない
□性欲がない
8項目以上にチェックがついた人は、うつ病の疑いがあるといわれていまず。
うつ病はごくありふれた病気なのですが、絶望感や自責の念から自殺願望などがつきまとい、危険な場合もあります。
うつ病は治療を早期に始めれば、早く回復が見込まれるといわれています。
誰もが憂うつになることがあり、仕事で失敗したり、家族や親しい人が亡くなったりすると、気分がふさぎ、落ち込んでしまいます。
この憂うつな気分は原因がはっきりしており、時間の経過ともに立ち直っていきます。
こうした改善されていくうつ状態は、自然なもので心配をする必要はありません。
しかし、精神的に負担が大きく、重荷を背負う状態が続くと、病的なうつ状態になっていくことがあります。
長期間のうつ状態はうつ病の可能性があり、それが2週間以上続いている場合には、病的なうつ病だと診断されます。
うつ病の原因は、完全には解明はされてないのですが、発症を招く精神的な状況として、次の2つが考えられます。
大きな責任や問題を抱え込んでしまう
精神的な重荷を抱え込んでしまうと絶望的に転ずることが多く、うつ病を引き起こす恐れがあります。
例えば、男性では職場での昇進などで、その地位や責任の負担に耐えかねてうつ病になったり、職場の異動や出向で、なれない業務や対人関係で悩み続けてうつ病になったりします。
また、女性では夫婦の不和や家庭内の問題を解決して苦しみ、うつ病になる場合が多いようです。
責任を果たしたり、難題を解決しした後
片付けた課題が生きがいや生活の中心であると、精神的な荷を降ろすのと同時に大事なものまで失ったかのような空虚感から、虚脱感に転じ、うつ病の要因となります。
例えば、娘が結婚し、家を離れたため、さびしさが絶望感に変わり、うつ病になる母親などです。
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うつ病の症状とは
うつ病になると、感情面で次のような不快な気分が続きます。
□憂うつな気分がとれず、ふさぎこんだままの状態が続く
□気分の落ち込みが解消できない
□不安が大きく、将来に対する希望がもてない
□イライラして怒りっぽい
□悲観的で自責の念が強くなる
□消えてしまいたいという気持ちになる
これらの症状は抑うつ気分といい、うつ病が軽い場合には、抑うつ気分にかろうじて耐え、外見的には笑みをたたえて話せます。
重症になると、感情自体が乏しくなり、ついには喜怒哀楽がなくなってしまいます。
何かに追い詰められているような不安や焦りが強くなり、立ったり座ったりを繰り返し、落ち着きがなくなります。
不安や焦りなどは高齢者のうつ病にみられ、家の中をうろうろしたり、激しい苦悶をみせたりします。
思考面では、頭が働かなくなり次の症状がでてきます。
□判断力や集中力が低下する
□考えが前に進まず、同じことばかりの繰り返しになる
□何をしていても無駄だという虚無的な考えにとらわれる
□最悪の結末ばかり考える
□過去の失敗を悔やみ、悲観的になる
思考の流れの停止や1つの考えにとらわれてしまい、考えが進まない状態を思考停止といいます。
うつ病の人が考える内容は、マイナスな方向に思い込んでしまう思考がほとんどで、考え方は偏った思考のゆがみにとらわれています。
周りから見れば、取り越し苦労に過ぎないことでも、思考に柔軟性がなくなっていることから、思いつめてしまい、自分自身で気持ちを最悪な方向へ追い込んでしまうようなるのです。
意欲面では、動作はゆっくりで活気に乏しく、表情も生気に欠けるようになるほか、次の症状がでます。
□何かをやろうとする気が起こらない
□物事に取り組むのがおっくうになる
□自分から進んで行動できない
□人に会うのが面倒になる
□趣味にも関心がなくなる
□食欲が減退し、食事も面倒になる
□性欲が減退する
意欲や行動が鈍くなる状態を精神運動静止といいます。
やらなければならないと頭ではわかっていても、おっくうとかだるさのために動けないと訴えることが多くなります。
精神運動静止が軽度の場合は、自分に鞭打って努力を重ねればなんとか慣れた仕事ならばこなすことができます。
新しいことを企画して実行に移すなど、自分が積極的に関わって事業を始めるような業務は難しくなります。
この精神運動静止が強くなると、どんなに努力をしても仕事が手につかなくなり、入浴や洗面、着替えなど、日常の動作も面倒になります。
このようなうつ状態は、朝のうちに強く、午後から夕方にかけて軽くなっていく傾向があります。
この朝夕の気分の変化を日内変動と呼び、うつ病に特有の症状です。
希望を失ったり、自責の念にかられて自殺を試みてしまうのも、うつ病の特徴的な症状で、これはうつ状態が重い時期よりも、重くなる前の時期や回復期に多く見らるようです。
重い時期には、自殺を試みようとする意思があっても、決断力や実行力を失っており、自殺には至りません。
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うつ病から起こる体の症状とは
うつ病になると、欲動の低下によって体にさまざまな症状が現れます。
欲動とは、人間が生きていくための本能に根ざした行動を起す活力のことをいいます。
欲動には、食欲、性欲、睡眠欲、飲水欲、排泄欲、活動と休息などに関する欲動があります。
例えば、食欲にかかわる欲動が低下すると、体は食事を必要としていても、食欲が湧かず、食欲不振になります。
食べないことで、体を維持する栄養素が欠乏することから、疲労、倦怠が強くなり、体調不良が起こるようになります。
また、うつ病になると、自律神経が乱れ、不快な症状が現れます。
自律神経は心臓や呼吸器、消化器など、ほとんどの内臓や血管、汗腺、分泌腺などの機能をバランスよく働かせる機能があります。
初老期以上の年齢になると、口渇や便秘などの症状、老年期になると、胸や腹部の痛み、動悸、排尿困難など、脳の血流低下から、めまいやふらつきをおこすこともあります。
また、うつ病になると、健康の維持に不可欠な睡眠に影響します。
睡眠は日常生活のリズムの中で大切で、その日消費した体力を養い、精神的にも休息をとることで活力を得て、翌日には集中力や意欲を取り戻すことができます。
不眠はうつ病になると必ず起きる代表的な症状で、他の症状が目立たない場合でも、不眠だけは現れるようです。
不眠症のタイプ
入眠障害
就寝しても寝入るまでに30分以上かかる。
寝ようとしても寝付けず、明け方になってやっと眠たくなる。
中途覚醒
夜中に何度も目が覚めて、再び眠るまで時間がかかる。
早期覚醒
普段の目覚めより2時間以上も早く目覚め、その後、もう一度眠ろうとしても眠れない。
熟眠障害
眠りが浅く、寝た気がしない。
うつ病になりやすい性格とは
うつ病になりやすい性格の代表的なものには、次の3つがあり、これらの性格は、うつ病になる前の性格という意味で、病前性格と呼ばれています。
執着気質
執着気質の特徴は、几帳面で熱心、強い義務感や責任感のあるところです。
例えば、仕事に徹底的に打ち込み、心身の負担から眠れなくなり、疲労を蓄積させてしまい、普通なら、心身の疲れを癒すために休養をとるのですが、執着気質の人は感情の高まりが続くために、疲労困憊でも働いてしまい、疲労の頂点でうつ状態に陥ってしまうのです。
メランコリー親和型
メランコリー親和型の特徴は、生きる上で秩序にささえられ、組織やルールに誠実であろうとするところです。
仕事が急増した場合に、不本意なできばえに納得することができず大きな責任を感じたり、人とのいざこざが起これば、自分が犠牲になっても場の雰囲気を壊すまいとして強いストレスを抱えたりします。
その結果、うつ病になる傾向にあります。
循環気質
循環気質の特徴は、明るく活発な面と、気が弱く落ち込みやすい、相対する2つの面を持っているところです。
常に周囲の人と波長を合わせようと努力するため、社交的で親しみやすい人と見られるのですが、内面は気を使う苦労性で、人の思惑を敏感に感じ取り、人と同調することで精神的な負担を抱え込みやすいのです。
人に合わせようとするあまり周囲からは優柔不断、八方美人だと誤解されることもあります。
また、人に献身的な分、自分の意にそわない言動にあうと、裏切られたと感じ、怒りを爆発させたりする場合もあります。
酒や異性にのめりこみやすいのも循環気質の特徴です。