プラークコントロールの方法とは・・・

プラークコントロールの方法とは・・・

プラークコントロールには、歯ブラシでするブラッシング以外にもさまざまな方法があります。

プラークコントロールは、自身が日常生活のなかでするものと、専門家である歯科医や歯科衛生士がするものがうまくかみ合ってはじめて効果をあげます。

かんたんに分けると、患者さんと歯科医院はつぎのように役割分担します。

自身のプラークコントロールは、まず飲食の回数と飲食する糖分の量を控えめにすることからはじまります。

ものを食べるときよくかむと、唾液が十分に出ます。

唾液は、味覚やそしゃくの刺激があると、自然に出る量の六倍もの速さで分泌されます。

かみ方も、かみぐせを直すように、できるだけ左右の奥歯で均等にかみます。

使っている歯はだめになりにくいのです。

よくかまないと、歯を支えるハンモックのまわりの血液の流れも少なくなり、骨も弱くなります。

よくかまないでも食べられるものばかり食べていると、プラークがたまるばかりでなく、歯を支える組織もおとろえるのです。

現代人の食べる十分に調理された料理は、口あたりがよく、苦労してかみ砕く必要はありません。

忙しいので食事の時間は短く、かむ回数も少ないため唾液の量は不足がちです。

また消化吸収されやすい食物は、口のなかの細菌にとっても利用しやすい栄養になります。

このようなわけで、プラークの量を自然にコントロールする能力は、現代人の場合、ひどくおとろえています。

繊維に富んだ食物をつねに食べていれば、よくかまなければ食べられませんので、唾液もよく出る、歯にくっついたプラークを食品の繊維があらかた自然に落としてくれていました。

食事には、ごはんや麺類、パンなど発酵性の炭水化物が大量に含まれているのですから、どうしてもプラークが蓄積します。

歯ブラシによるブラッシング、歯と歯のあいだはデンタルフロス(清掃用の糸)、すき間の気になる人は歯間ブラシを使って毎日、清掃します。

歯ぐきにかくれた部分の清掃や歯石の除去、歯石によって表面が凹凸になった歯の根の表面を滑らかにする処置などは、殺菌剤や抗生物質など薬を使う化学的なプラークコントロールであるとともに、専門家が行うプラークコントロールです。

このほか、プラークが停滞しやすい部位を除去することも専門家の手助けが必要です。

現代人がその寿命に見合った口の健康を維持するためには、この口のなかで異常に繁殖するプラークを抑制する必要があります。

調理の不十分な食事なら口の健康が自然にできていたことなのに、美食のために、歯ブラシなしでは維持できないのです。

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歯のブラッシング方法とは・・・

歯周病の予防も治療も、その第一はプラークコントロールで、口のなかの細菌が健康なバランスを保っている人の場合にはそれを維持すること、虫歯や歯肉炎になっている場合にはその人が健康を維持できる細菌のバランスにもどして、それを維持できるようにすることがプラークコントロールです。

健康な口のなかは、掃除もかんたんですが、歯周病にかかっている場合や歯周病が治ったあとの清掃は、健康な状態にくらべるとかなりむずかしくなります。

当然、プラークコントロールの方法も変わります。

ブラッシングも、健康の度合いに合わせてその方法や時間のかけ方が変わって当然なのです。

健康な人が病気の予防のためにブラッシングをする場合には、長い時間をかける必要はありません。

歯周病の治療のためのブラッシングは、予防のためのブラッシングとはまったく異なります。

炎症のていどや歯周ポケットの状態に合わせて、長時間のブラッシングが必要です。

治療によっていったんプラークの量が低く抑えられ炎症がなくなった人の場合には、その状態を維持することがプラークコントロールの目的になります。

歯周病がすすんだ場合には、歯ぐきが下がって歯の根が露出してしまっていたり、歯を失ってしまったところがあったり、ブラッシングによる清掃は少しむずかしくなっています。

そこで、歯と歯のあいだを掃除する歯間ブラシやデンタルフロスを使いこなさないとうまく掃除ができないかもしれません。

また、治療の過程でブラッシングに神経質になりすぎたり、歯ぐきや歯の露出した根の部分に、みがきすぎによる弊害が生じることも少なくないので、注意が必要です。

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治療のためのブラッシングとは・・・

ブラッシング時の出血は、歯と歯ぐきのすき間のミゾの部分に炎症がある証拠です。

このような症状を示すときには、その場所は歯周病の活動期にあると考えられます。

そのような場所はとくに歯ブラシの毛先があたりにくい場所です。

ていねいにブラシを使うと、嘔吐反射(ゲッともどしそうになる反射)も起こりません。

ブラシの毛先を歯と歯ぐきの境目にあてるようにします。

ブラッシングは、一定の順序で、口のなかを一筆描きのようにみがくようにし、口のなかを一巡するようにみがくことは、みがきぐせを直す意味でも効果的です。

まず、ふだんみがき忘れてしまう場所や、みがくのに骨の折れるところからブラッシングをはじめます。

右利きの方の場合、右の歯の内側にブラシをあてにくいので、そこからはじめます。

左利きの方の場合は逆になります。

そして歯面を一筆描きの要領で順序よくみがき、一筆描きの要領でみがき残しをなくすのです。

プラークのつきやすい奥歯の内側(舌の側)は、毛先が歯面にあたるように注意し、とくに念入りにみがきます。

この一筆描きを一クールとし、約5分ほどの時間をかけます。

みがき方は、歯ブラシの毛先の弾力を生かした方法が適当ですが、それほど神経質になる必要はありません。

この一巡を一クールと呼んでいますが、治療のブラッシングでは朝昼晩と毎食後3クールずつ、歯肉の変化を見て、歯肉の症状が改善するまでみがきます。

歯肉の症状が改善したら、1日3回おのおの一クールぐらいに減らしていきます。

3クールですと15分間ぐらいかかりますが、歯肉の状態がよくなり、歯周ポケットが改善すると5分間のブラッシングで十分効果が維持できるようになります。

歯肉の状態や歯周病のすすみ方、ブラッシングの技術によってブラッシングの処方を変える必要がありますが、このクール法はその助けになります。

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