近視の原因はどんなこと?
水晶体は近くを見ると厚くなりますが、その能力(調節力)は加齢によって衰えるんですね。
水晶体の調節力はその弾力と毛様体の筋力で決まるんです。
毛様体は無意識下で働く自律神経によって支配されていて、その神経が不調であれば調節力も低下するんです。
抗精神薬や睡眠薬を服用されている方は自律神経が抑制されるために、若い人でも水晶体は厚くならず、近くを見続けると疲れを感じるんですね。
コンピュータを見続けた場合も、水晶体を厚くしようとして眼は疲れます。
ちなみに、眼の疲労にはビタミンB12などを含んだ目薬が有効なんです。
ところで、習慣的に近くを見続けると、常に毛様体が緊張するようになり、その筋肉を和らげようとして眼軸が徐々に伸び始めるんです。
眼軸が伸びると近くは見やすくなりますが、遠くを見てもピントが合わなくなって視力は低下しはじめるんですね。
これが近視の原因なんですね。
スポンサードリンク
老眼の原因はどんなこと?
年齢が進むと水晶体は徐々に弾力を失い、近くを見てもそれを厚くするのが難しくなるんです。
さらに、水晶体はやせて薄くなり、外縁のチン小帯が緩んでしまい、そうなると毛様体がいくら緊張しても水晶体は厚くならないんですね。
また、毛様体自身の筋力も衰えます。
このような理由から年齢が進むと近くを見ることが難しくなるんです。
これが老眼の原因なんですね。
調節力は年齢とともに低下するため、読書には老眼鏡が必要になってくるんですね。
調節力はあくまで目安で、若くなくても見える方はやはり調節力も強く、60歳になっても老眼鏡を必要としない人もいるんです。
近視であれば調節力が衰えていても近くを見ることはできます。
しかし、遠くを見るにはメガネやコンタクトレンズで矯正する必要があり、そうしたものを用いた状態では正常の方と同じように近くを見ることはできないんですね。
年齢が進むと、どのような状態であっても遠くも近くも、両方とも見えるということは難しくなるんですね。
スポンサードリンク
近視と遠視の違いとは?
近視、遠視、乱視を屈折異常といって、屈折異常がない正常な眼では遠くを見た時に水晶体が最も薄くなって、ピントは網膜の上に結ぶんですね。
遠くから近くに視点を動かすと、ピントは網膜の後ろに移動するので、調節力が働いて水晶体が徐々に厚くなり、網膜の上に結ぶようになるんです。
近視の人の場合、遠くを見た時に水晶体が薄い状態であるにもかかわらず、ピントは網膜の手前に結びます。
次に、近くに視点を動かすと徐々にピントの位置が後ろに移動して、網膜に結ぶようになります。
さらに近くを見ると、正常な眼と同じようにピントが網膜の後ろに移動するため、その時はじめて調節力が働いて水晶体が厚くなり、ピントを網膜に引き戻すんです。
近視で裸眼で近くを見る場合、調節力があまり働かなくてもピントを合わせることができるので、長時間近くを裸眼で見続けても疲れないんです。
逆に、遠くを見ているにもかかわらず、ピントが網膜の後ろに結んでいるのが遠視なんです。
遠視では近くを見るとさらにピントは後ろに移動するので、より強い調節力が必要になって眼は疲れるんですね。
若い時は少々の遠視があっても調節力が大きいので、それほど不便ではないんです。
しかし、年齢が進むと調節力が衰えるため、近くを見ることは非常に困難になるんですね。
また、遠くを見る時も常に調節力を必要とするため、それを補うために凸レンズのメガネが必要になるんですね。
老眼でも凸レンズのメガネを用いますが、近視や遠視がなければ裸眼で遠くを見ることができるので、メガネは近くを見る時だけ使用すれば済むんですね。
近視予防に老眼鏡をかける?
アフリカや砂漠で生活する人々に近視はほとんどいないんですよ。
ただそのかわり、遠視の方が多くいるんですね。
近視にならないためには遠くばかりを見ていればよいのですが、近くを見る機会の多い今の人にとって非常に難しいことなんですね。
近視は調節力が働くために起こりますので、近くを見続けてもピントが合うようにすればよいわけなんですね。
そのためには、長い時間読書をする、パソコンを使うなど、近くを見る時だけ+1.50程度の弱い老眼鏡を使うんです。
そうすると、近くを見続けていてもピントが合うようになるんですね。
ところで、蛍光灯は自然光と波長が異なるため、蛍光灯での作業では視細胞の感度を低下させ、眼が疲れやすくなるんです。
また、調節力が阻害されて近視が起こりやすくなるので注意が必要なんですね。
視力検査は実際には5メートル、あるいは3メートル離れた視力表を用いて、そこに描かれたC字形記号を示して、その切れ目の向きで認識能力を調べますよね。
視力表を使った場合、下から四段目のC字形記号が60%以上認識できる視力を1.0と定めているんですね。
その大きさを10倍したC字形記号は視力表の一番上にあり、その切れ込みの方向しか認識できない場合、視力を0.1と定めているんですね。
視力表の上から順に10等分して0.1から1.0まで視力を振り分けます。
なお、3メートル視力表のひらがなや記号は5メートル視力表の5分の3の大きさで作られています。
ところで、C字形記号を見ると、その像は網膜に微小な形で結んでいるんです。
その微細な切れ込みの中に視細胞が入らなければ、方向を認識できないんですね。
近視が進むと眼軸が伸び、網膜が広がって視細胞の密度が低下します。
また、老眼になった場合、やはり切れ込みが認識できずに、いくらレンズで矯正しても視力は上がらないんですね。
子供は眼球が小さいため視細胞は密集しているんです。
そのため、視力は大人よりもはるかに優れています。
今はテレビゲームなどの影響で眼のよい子供は減少していますが、昔は1.5や2.0の子供が普通でした。
しかし、今の子供でも、近視の有無にかかわらず視細胞密度は高いので、矯正すると良好な視力に回復するんですね。
視力は視細胞の状態によって制限されるため、レーシック手術を希望される中高年の方で1.5以上の視力を求めても、術後に得られる視力には限界があるようです。
近視や老眼についていろいろお話ししましたが、参考になれば幸いです。