養子の子の代襲相続

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養子の子の代襲相続

大阪高裁平成元年8月10日判決
高民集42巻2号287頁、判夕708号222頁

<事実>

被告Yは被相続人Aの後妻である。

Aには先妻Bとの間に長女X1が出生している。

AとYは昭和39年2月25日にCと養子縁組をし、同日CはX1と婚姻届を提出した。

X1は縁組届の約2週間前である昭和39年2月12日にX2を出産し、昭和41年8月22日にはX3を出産している。

Aの子供には、このほかにD女との間に生まれたX4がいる。

Cは昭和52年6月9日に死亡し、またAは昭和59年10月26日に死亡した。

X1ないしX4とYとの間で遺産分割の調停が行なわれたが、遺産の範囲につき紛争が生じたため、X1ないしX4からYに対し相続財産確認等を求めて提訴した。

原審はXらが勝訴したためYより控訴。

なお、YはX2の相続権を争っている。

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<判旨>原判決変更

「原判決は、・・・X2はAの養子である亡Cの子であり、かつ、Aの直系卑属(X1の子)であるから、亡Cの代襲者としてAの遺産につき相続権がある旨判示したが、当裁判所も右見解に同調するものである。

この点につき、右X2は亡Cの養子縁組前の子であるから、亡Cを通してAとは親族関係を生ぜず、したがってAの死亡による相続に関して亡Cの代襲者にはなり得ないとの考え方があるが、民法887条2項但書において、「被相続人の直系卑属でない者」を代襲相続人の範囲から排除した理由は、血統継続の思想を尊重するとともに、親族共同体的な観点から相続人の範囲を親族内の者に限定することが相当であると考えられたこと、とくに単身養子の場合において、縁組前の養子の子が他で生活していて養親とは何ら係わりがないにもかかわらず、これに代襲相続権を与えることは不合理であるからこれを排除する必要があったことによるものと思われるところ、本件の場合には、右X2はその母X1を通じてAの直系の孫であるから右条項の文言上において直接に違反するものではなく、また、Aとの家族生活の上においてはなんら差異のなかった姉妹が、亡父とA間の養子縁組届出の前に生まれたか後に生まれたかの一事によって、長女には相続権がなく次女にのみ相続権が生ずるとすることは極めて不合理であるから、衡平の観点からも、右X2にはAの遺産に関し代襲相続権があると解するのが相当である(ちなみに、本件のような事例において、戸籍先例は、縁組前の養子の子に代襲相続権を認めている。昭和35年8月5日民事甲第1997号民事局第二課長回答)。」

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