内縁の夫婦の一方の死亡とその相続人

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内縁の夫婦の一方の死亡とその相続人

大阪家裁昭和58年3月23日審判
家月36巻6号51頁

<事実>

被相続人Aと申立人Xとは内縁の夫婦であり、Aの相続人はAの兄・姉・妹である。

Aの死後、Xより財産分与を申立て、また相続人の一人からは遺産分割を申し立てた。

裁判所は両事件を併合して以下のとおり審判した。



<判旨>認容

「以上の事実によると、XとAとは事実上夫婦関係にあったことは認められるものの、ともあれ婚姻届出はなされておらず、いわゆる内縁関係にとどまるものであることが認められるところ、かかる内縁関係にある者の一方から他方に対して財産分与をなし得ることについては、現在異論をみない。

ところで本件は当事者の一方が、つまりその「相手方」死亡に関するものであるが、かかる場合も財産分与の本質が夫婦共有財産の清算性を中核とするものと解する限りでは、生前における解消たると死亡による解消たると彼此区別すべき合理的理由に乏しいこと、財産分与に対応すべき義務(一身専属性たる性質に基づくものを除く)の相続性は認められるべきであること等からすれば、この場合その相続人を相手方とする財産分与を肯定すべきであると考える。

然して財産分与に関する民法768条における財産分与請求の要件たる「離婚」も前記財産分与の本質からする限りで、その清算の契機はその身分変動そのものに意味があるのではなく、右身分変動に必然的に伴う夫婦共有財産の形成母体たる夫婦共同体の解体にこそその実質的根拠を求め得べきものであることは明らかというべきであるから、だとすれば夫婦共同体の解体の一場合たる死亡による内縁関係の解消の場合にも右同条の類推適用を認められるべきであり、従って又家事審判法(同法9条)の適用も認められるべきであると解するを相当とする。」

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