遺産分割終了後の相続人の存在

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遺産分割終了後の相続人の存在

最高裁昭和54年3月23日判決
民集33巻2号294頁、判時923号70頁

<事実>

被相続人AにはX・B・Cの3子があったが、いずれも戸籍上は第三者の子として出生届が出され、Bのみがその後Aと養子縁組をしている。

Aの死後Bは戸籍上自己が唯一の相続人であったところから、Aの遺産の土地について単独名義で相続登記を経た上で、善意のY1.Y2にその土地を売却した。

その後Xは検察官を被告としてAとの母子関係確認の訴えを提起し、勝訴が確定した上で、Y1・Y2に対して共有持分権確認等を求めて提訴した。

1審はXの請求を認容したが、原審は民法784条但書・910条を類推適用しYらを勝訴させた。

Xは上告した。



<判旨>破棄差戻し。

「相続財産に属する不動産につき単独所有権移転の登記をした共同相続人の一人及び同人から単独所有権移転の登記を受けた第三取得者に対し、他の共同相続人は登記を経なくとも相続による持分の取得を対抗することができるものと解すべきである。

・・・そして、母とその被嫡出子との間の親子関係は、原則として、母の認知をまたず分娩の事実により当然に発生するものと解すべきであって(最高裁判所昭和35年(オ)第1189号同37年4月27日第二小法廷判決、民集16巻7号1247頁参照)、母子関係が存在する場合には認知によって形成される父子関係に関する民法784条但書を類推適用すべきではなく、また、同法910条は、取引の安全と被認知者の保護との調整をはかる規定であって、遺産分割その他の処分のなされたときに当該相続人の他に共同相続人が存在しなかった場合における当該相続人の保護をはかるところに主眼があり、第三取得者は右相続人が保護される場合にその結果として保護されるのにすぎないのであるから、相続人の存在が遺産分割その他の処分後に明らかになった場合については同法条を類推適用することができないものと解するのが相当である。」

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