法定相続人の保険金の取得割合

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法定相続人の保険金の取得割合

最高裁平成6年7月18日判決
家月47巻6号45頁

<事実>

Xの妻Aは生命保険会社Yとの間で積立女性保険契約を締結していた。

Aが死亡したが、死亡保険金の受取人は指定されていなかった。

そこでY会社は、保険金の受取人として保険約款に基づいてAの法定相続人であるXのほか、Aの兄弟姉妹(代襲相続人を含む)9人を加えた合計10人に、均等に10分の1ずつ支払った。

そこで夫Xは、法定相続分に従って保険金の4分の3を自己に支払うべきであるとして本件訴訟を提起した。

1審でXの主張が認められたので、Yが控訴。

原審では、本件契約の申込書の死亡保険金受取人欄に受取人の記載がないことから、本件契約においては保険金受取人の指定がなかったものとし、仮に右の指定があったと推認されるとしても、保険金の帰属割合についてまでの指定はなかったとし、本件においては、本件契約に適用される保険約款の定めによってAの法定相続人が死亡保険金の受取人となり、その割合は民法427条により平等の割合になるものと判断された。

Xは上告した。



<判旨>破棄差戻し

「保険契約において、保険契約者が死亡保険金の受取人を被保険者の「相続人」と指定した場合は、特段の事情のない限り、右指定には、相続人が保険金を受取るべき権利の割合を相続分の割合によるとする旨の指定も含まれているものと解するのが相当である。

けだし、保険金受取人を単に「相続人」と指定する趣旨は、保険事故発生時までに被保険者の相続人となるべき者に変動が生ずる場合にも、保険金受取人の変更手続をすることなく、保険事故発生時において相続人である者を保険金受取人と定めることにあるとともに、右指定には相続人に対してその相続分の割合により保険金を取得させる趣旨も含まれているものと解するのが、保険契約者の通常の意思に合致し、かつ、合理的であると考えられるからである。

したがって、保険契約者が死亡保険金の受取人を被保険者の「相続人」と指定した場合に、数人の相続人がいるときは、特段の事情のない限り、民法427条にいう「別段の意思表示」である相続分の割合によって権利を有するという指定があったものと解すべきであるから、各保険金受取人の有する権利の割合は、相続分の割合になるものというべきである。」

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