生命保険金受取人が死亡した場合の受取人変更

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相続がやって来たら相続に関する判例>生命保険金受取人が死亡した場合の受取人変更

生命保険金受取人が死亡した場合の受取人変更

最高裁平成4年3月13日判決
民集46巻3号188頁、判夕784号170頁

<事実>

被相続人Aは、自己を被保険者、死亡のさいの保険金受取人を妻Bとする生命保険契約を締結した。

その保険契約によると、@A死亡のさいにはAの指定する妻Bが保険金を受領する、A保険金の支払理由の発生すなわちAの死亡するまで、Aは保険金の受取人を変更することができる、BBの死亡後に受取人が変更されないまま保険金支払理由が発生したときは、保険金受取人は、Bの死亡時の法定相続人に変更されたものとする、と契約されていた。

Bは右の保険契約の締結の数ヵ月後に死亡したが、Aは保険金の受取人を変更しないでいたところ、その後まもなくAも死亡した。

Bには法定相続人として、夫Aのほかに、AB間の子C・Dがいた。

C・Dは、Bの相続については放棄をしなかったが、Aの相続については放棄をした。

Aの第2順位の相続人も放棄したため、Aの相続財産は相続財産法人Xに帰属した(民法951条)。

Xは、Bの死亡により保険金受取人はA、C、Dの3名となり、Aの死亡により保険金支払理由が発生し、保険金支払請求権の3分の1はAの相続財産に属する、ゆえに保険会社YはこれをXに支払う義務がある、と主張した。

1審は保険金の受取人がCとDの2名のみであるとしてXの請求を棄却した。

原審では、Bの死亡によって保険金受取人となったAの地位は、被保険者たるAの死亡によって確定するとしてXの請求が認容された。

Yは上告した。



<判旨>破棄自判

「本件条項の趣旨は、保険金受取人と指定された者(以下「指定受取人」という。)の死亡後、保険金受取人の変更のないまま保険金の支払理由が発生して、右変更をする余地がなくなった場合には、その当時において指定受取人の法定相続人又は順次の法定相続人で生存する者を保険金受取人とすることにあると解するのが相当である。

けだし、本件条項は、保険金の支払理由の発生前に限り保険契約者又はその承継人が保険金受取人を変更することができることを前提として、指定受取人の死亡後に右変更がされていないときには、保険金受取人が指定受取人の死亡時の法定相続人に変更されたものとすると規定しているのであるから、保険契約者は又はその承継人が自らの意思で保険金受取人を変更することができる間に右法定相続人の保険金受取人としての地位が確定することはあり得ず、この間に本件条項によって保険金受取人とされた指定受取人の法定相続人が死亡したときは更にその法定相続人が保険金受取人に変更されたものとされる結果、被保険者の死亡等により保険金の支払理由が発生して保険金受取人を変更する余地がなくなったときは、その当時において生存する指定受取人の法定相続人又は順次の法定相続人の保険金受取人としての地位が確定することになると解すべきである」。

「結局、C、Dの両名が・・・平等の割合で保険金請求権を取得し、Aの保険金請求権が同人の相続財産に帰属することはない」ので、Aは保険金を受取ることができず、CとDとが保険金の請求権者とされたわけである。

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