不法行為による慰謝料請求は相続の対象

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相続がやって来たら相続に関する判例>不法行為による慰謝料請求は相続の対象

不法行為による慰謝料請求は相続の対象

最高裁大法廷昭和42年11月1日判決
民集21巻9号2249頁、判夕211号224頁

<事実>

被相続人Aは、自転車で走行中に、訴外B運転のY会社のトラックと接触、人事不省のまま12日後に死亡した。

Aには妻も子もいなかった。

そこでAの姉妹X1とX2とがAの慰謝料を相続したとして、Yを相手に15万円ずつを訴求。

1審・2審ともにXらが敗訴したので、Xらが上告した。



<判旨>破棄差戻し

「案ずるに、ある者が他人の故意過失によって財産以外の損害を被った場合には、その者は、財産上の損害を被った場合と同様、損害の発生と同時にその賠償を請求する権利すなわち慰謝料請求権を取得し、右請求権を放棄したものと解しうる特別の事情がないかぎり、これを行使することができ、その損害の賠償を請求する意思を表明するなど格別の行為をすることを必要とするものではない。

そして、当該被害者が死亡したときは、その相続人は当然に慰謝料請求権を相続するものと解するのが相当である。

けだし、損害賠償請求権発生の時点について、民法は、その損害が財産上のものであるか、財産以外のものであるかによって、別異のの取り扱いをしていないし、慰謝料請求権が発生する場合における被害法益は当該被害者の一身に専属するものであるけれども、これを侵害したことによって生ずる慰謝料請求権そのものは、財産上の損害賠償請求権と同様、単純な金銭債権であり、相続の対象となりえないものと解すべき法的根拠はなく、民法711条によれば、生命を害された被害者と一定の身分関係にある者は、被害者の取得する慰謝料請求権とは別に、固有の慰謝料請求権を取得しうるが、この両者の請求権は被害法益を異にし、併存しうるものであり、かつ、被害者の相続人は、必ずしも、同条の規定により慰謝料請求権を取得しうるものとは限らないのであるから、同条があるからといって、慰謝料請求権が相続の対象となり得ないものと解すべきではないからである。」

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