扶養料の相続と扶養料の支払命令

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扶養料の相続と扶養料の支払命令

最高昭和54年7月19日決定
判時943号57頁

<事実>

申立人Xがその子であるYを相手として扶養の審判を申し立てたところ、家裁はXが要扶養状態にあり、Yに扶養能力があるとして、申立の日以降月5万円の割合で申立を認容した。

子Yはこれを不服として即時抗告の申立をしたが事件が高裁に係属中にXが死亡した。

Xの相続についての共同相続人であるZ(Yの妹)が、抗告審に審判手続の受継ぎの申立をし、1審の審判で認められた権利を相続により取得したと主張した。

原審は、Zの相手方としての地位を認めたうえで、親族間の扶養請求権は一身に専属する抽象的な権利であるが、その請求によってその範囲が具体化し、さらに審判等によって金額等が形成されたときは、その形成された扶養料は純然たる金銭債権と化し、一身専属性を失って、相続の対象となるものと解した。

そして結論において、Xの申立の日から死亡の暇での扶養料中Zの相続分である2分の1をYからZに支払うよう命じた(東京高決昭和52・10・25家月30巻5号108頁)。

Yは抗告した。

扶養料請求権は帰属上も行使上も一身専属権であるのにその相続性を肯定し、相続人による受継ぎを認めたのは、結局、家事審判手続によって処理してはならない事項を処理したものであって、Yが法の適正手続において裁判を受ける権利を侵害したもので、憲法31条・32条に違反すると主張。



<判旨>抗告却下

特別抗告が許されるは「民訴法419条の2所定の場合に限られるところ、本件抗告理由は違憲というが、その実質は、親族間における扶養請求権についての原決定の解釈に法令違背があることを主張するものにすぎない。

そして、右の点に関する原審の見解の当否については、Yは別途民事訴訟のよってこれを争うことができるのであるから、いかなる意味においても憲法違反の問題を生ずることはないのである。

したがって、本件抗告は同法419条の2所定の場合にあたらないと認められるから、本件抗告を不適法として却下」する。

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