家裁は審判で分割に関する処分をできる

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相続がやって来たら相続に関する判例>家裁は審判で分割に関する処分をできる

家裁は審判で分割に関する処分をできる

最高裁大法廷昭和41年3月2日決定
民集20巻3号360頁

<事実>

被相続人Aが死亡し、その子XとYが共同相続した。

Yは、Xの相続欠格(Aを殺害しようとしたことを理由とする)を主張するが、家裁の判断によれば、XがYの主張するようなAを故意に死亡せしめた事実があるとしても、Xはそのために処罰されていないので、Xが欠格者とはいえないとされた。

抗告審でもYが敗訴したので、遺産分割審判は憲法32条・82条に違反するなどを理由として特別抗告した。



<判旨>上告棄却

@「家事審判法9条1項乙類10号に規定する遺産の分割に関する処分の審判は、民法907条2、3項を承けて、各共同相続人の請求により、家庭裁判所が民法906条に則り、遺産に属する物または権利の種類及び性質、各相続人の職業その他一切の事情を考慮して、当事者の意思に拘束されることなく、後見的立場から合目的的に裁量権を行使して具体的に分割を形成決定し、その結果必要な金銭の支払、物の引渡、登記義務の履行その他の給付を付随的に命じ、あるいは、一定期間遺産の全部または一部の分割を禁止する等の処分を為す裁判であって、その性質は本質的に非訟事件であるから、公開法廷における対審および判決によってする必要なく、したがって、右審判は憲法32条、82条に違反するものではない」。

A「右遺産分割の請求、したがって、これに関する審判は、相続権、相続権利関係であるから、その存否を終局的に確定するには、訴訟事項として対審公開の判決手続によらなければならない。

しかし、それであるからといって、家庭裁判所は、かかる前提たる法律関係につき当事者間に争いがあるときは、常に民事訴訟による判決の確定をまってはじめて遺産分割の審判をなすべきものであるというのではなく、審判手続において右前提事項の存否を審理判断した上で分割の処分を行うことは少しも差し支えないというべきである。

けだし、審判手続においてした右前提事項に関する判断には既判力が生じないから、これを争う当事者は、別に民事訴訟を提起して右前提たる権利関係の確定を求めることをなんら妨げられるものではなく、そして、その結果、判決によって右前提たる権利の存在が否定されれば、分割の審判もその限度において効力を失うに至るものと解されるからである。

このように、右前提事項の存否を審判手続によって決定しても、そのことは民事訴訟による通常の裁判を受ける途を閉ざすことを意味しないから、憲法32条、82条に違反するものではない。」

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