被相続人の死後の特別の縁故

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被相続人の死後の特別の縁故

福岡家裁昭和46年3月18日審判
家月24巻4号210頁、判夕278号403頁

<事実>

申立人Xは被相続人Aの遠縁にあたり(Aの祖母とXの曾祖母が姉妹)、失明してあんま業を営んでいた独身のAの自宅にX及びその両親が同居してXの両親がAの身の回りの世話をしてきた。

Xの両親は、Aの生存中その療養看護・身の回りの世話等いっさいの面倒を見、その死後は葬儀を行なうほか仏事法要等も行い、祭祀も主宰している。

Xの両親は昭和20年にAが死亡した後本件遺産についても占有・管理してきたが、Xの父親は昭和27年に母親は昭和32年にそれぞれ財産分与の申立を行うことなく死亡している。

Xは子供の頃から約10年間Aと同居してきたが、昭和16年に出征し昭和21年(Aの死後)に復員している。

Xはその両親の死亡後もAの居宅に住み、公訴公課もXが支払い、またAの祭祀も承継し主宰している。

なお、Xは昭和39年に遺産である建物を解体し、X名義の建物を新築したため、Aの遺産は建物敷地のみとなっている。



<判旨>認容

「Xの両親は・・・Aの特別縁故者い該当すること明白であるが、相続財産の分与請求は一身専属的のものと解せられるから、Xにこれが地位の承継を認めることができない。

そして、Xは・・・Aの生存中同人と特別の縁故があったものということができない。

しかしながら、XはAの遠縁に当り、10年余Aと生活を共にし、Xの両親死亡後これに代わってAの祭祀を承継主宰しているから、被相続人の死後における特別の縁故者といえるが、特別の縁故が被相続人の死後にできた場合民法第958条の3に該当するかどうかにつき、即ち、被相続人と特別縁故者とは同時に存在することを必要とするかどうかにつき・・・同法条が相続人のない相続財産の全部又は一部を国庫帰属前に恩恵的に分与することと定めた点を考慮すると、被相続人の生存中特別の縁故がなかったとしても同人がその生存中死後のことを予測できたならば、これにつき遺贈、贈与等の配慮を払ったに違いないと思われる場合には、被相続人の死後における特別の縁故を認め、同法条の「その他被相続人と特別の縁故があった者」に該ると解するのが相当である」。

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