傍系親族の特別縁故関係の否定

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相続がやって来たら相続に関する判例>傍系親族の特別縁故関係の否定

傍系親族の特別縁故関係の否定

名古屋家裁昭和40年8月16日審判
家月18巻1号101頁、判夕194号192頁

<事実>

申立人X1〜X7はいずれも被相続人Aの相続人ではないが、各々傍系の親族関係がある。

Aは生来病弱であり、またその父Bが戦病死し、残された家族が女手ばかりで農業に従事できなかったため、X等が日常協力し農地を維持してきた。

また、医療費、葬儀費、肥料代等についてもX等が分担して、Aやその母親Cのために計78万円を支出してきている。

右を理由として、X等がそれぞれ耕作している土地について特別縁故者として財産の分与を申し立てた。



<判旨>却下

「X等は親族としてAの生前からその母C、祖母D等を含めた不遇な家族のため協力扶助して来たこと、そのため各自が医療費、葬儀費、法要費等を支出したことを理由に特別縁故者として各々に現に耕作中の上記各農地を分与させることを求めているが、X等がA等家族のために立て替え支出した金員がX等主張の通りの金額であったとしても民法第957条の規定に基づいて相続財産中から弁済を求めるべきであるにもかかわらず、これら債権を放棄することを本件申立の事情としている。

しかし本件相続財産所在地は昭和38年名古屋市に合併されて緑区となり日本住宅公団の設置したいわゆる鳴子団地ができてから付近一帯は住宅地として急激に開発され本件相続財産の一部も上記団地に近接しており、その他の農地もやがては宅地となる可能性もつよくその価額も農地とはいい相当高価であることも想像に難くない。

又X等及びEは昭和37年1月9日協定書を作成して各自の耕作部分につき鳴海町農業委員会より農地法第3条に基づく一時貸付の耕作権を認定されている・・・がその小作料を相続財産管理人であるEに支払っている事実も見当たらない。

そしてX等がB戦死後病弱のAをかかえた女世帯の農業経営を扶けて来たということも近隣に住む親族としていわば道義的にも、また人情からみても通常の助け合いの域を出ずX等が主張するAの特別縁故者という実情もむしろ甲家と乙家のつながりを配慮し両家の親族が相寄って旧習慣の家制度をよりどころとし、かつ、Aの母Cの実家の立場をも考慮して本件相続財産の分配を親族会議式に講じたものと考えられる。

X等及びEがB,Cの相続人であるAの死亡後いわゆる甲家の財産であるその遺産の散逸を防ぎ祭祀を承継する方途を残すため配慮している・・・心情は未だ古い生活感情に支配されがちな農家の同族意識と理解できないわけではないが上記認定事実からX等がAにとり民法第958条の3にいう特別縁故者に該当するものとは認め難く、また、同条にいう相続財産の分与も本件申立の実情でX等が述べているような「家」制度的なものとは明らかに区別して適用されるべきものと判断する。」

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