相続開始後25年を経た財産分与申立

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相続開始後25年を経た財産分与申立

秋田家裁昭和39年11月2日審判
家月17巻1号118頁

<事実>

被相続人Aは昭和14年頃親兄弟と死別し、本件土地と地上建物を所有して一人で生活していた。

申立人XはAの姪の子であるが、昭和10年頃からAと交際するようになり、昭和14年11月頃にAが倒れて以後翌月にAが死亡するまでの約1ヶ月半、XはA方に毎日のように通って看病しまた身の回りの世話をした。

またAの葬儀もXの費用で行なっている。

Aの死亡後にXはAの遺産たる家屋の移転料を秋田市より受領し、また仮換地後の本件土地に建物を新築し、貸家として使用している。

なお、本件土地の固定資産税はXが支払っている。



<判旨>認容

Xは、Aの病臥後短期間ではあるが看病、身の回りの世話をした点で民法958条の3第1項にいう「被相続人の療養看護に努めた者」に該り、死後Aの葬式をした点及び現行民法ならば相続権を有する姪の子である点では、「その他被相続人と特別の縁故があった者」に該当する。

しかし、本件のように、相続開始後25年を経た今日遺産の分与を求める場合には、遺産の占有使用状況、第三者の権利を害しないか等、遺産の上に仮に築かれた法秩序を乱されないかどうかをも考慮して分与の当否を決しなければならない。

本件土地につき国庫戻入の手続がとられず放置され、Xが25年の長きにわたり占有使用し他に本件土地につき所有権を主張すべき利害関係人もない本件では、Xの従来の占有使用が適法であるとはいえないが、Aの遺産である本件土地・・・及び仮換地指定に際し、本件土地上にさきに存在したA所有家屋移転料として秋田市から交付された金8万円は、これをXに与えるのが相当である。」

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