遺言者の死後の遺言無効確認の訴え

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相続がやって来たら相続に関する判例>遺言者の死後の遺言無効確認の訴え

遺言者の死後の遺言無効確認の訴え

最高裁昭和47年2月15日判決
民集26巻1号30頁、判時656号21頁

<事実>

被相続人Aは、自筆証書遺言を残して死亡した。

遺言の趣旨は、遺産の大半を相続人の一人に与えるとのものであったが、当該受遺者の氏名は記載されていなかった。

原告(上告人)Xから遺産分割調停を申立て、また遺留分減殺の意思表示も行ったが、調停は不調となり審判に移行している。

遺産分割審判において本件遺言の効力が問題となり、Xは遺言の無効を主張し、被告(被上告人)らは被告の一人Yが受遺者であることは文面上読み取れると主張して審判が進行しないため、Xより審判と別に遺言の無効確認を求めて提訴した。

1審は請求を却下し、2審も「遺言自体の無効確認の訴は本来許されるものではない、と解する。

けだし、遺言は・・・法律関係そのものではなくて、法律効果発生の要件たる前提事実に過ぎず、これをもって現在且つ特定の法律関係とは認め難いからである。」と判示して1審の判断を是認した。

Xは上告した。



<判旨>破棄差戻し

「いわゆる遺言無効確認の訴えは、遺言が無効であることを確認するとの請求の趣旨のもとに提起されるから、形式上過去の法律行為の確認を求めることとなるが、請求の趣旨がかかる形式をとっていても、遺言が有効であるとすれば、それから生ずべき現在の特定の法律関係が存在しないことの確認を求めるものと解される場合で、原告がかかる確認を求めるにつき法律上の利益を有するときは、適法として許容されうるものと解するのが相当である。

けだし、右の如き場合には、請求の趣旨を、あえて遺言から生ずべき現在の個別的法律関係に還元して表現するまでもなく、いかなる権利関係につき審理判断するかについて明確さを欠くことはなく、また、判決において、端的に、当事者間の紛争の直接的な対象である基本的法律行為たる遺言の無効の当否を判示することによって、確認訴訟のもつ紛争解決機能が果たされることが明らかだからである。」

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