証人の署名押印が遺言者不在の危急時遺言

証人の署名押印が遺言者不在の危急時遺言

相続がやって来たら
スポンサードリンク
相続がやって来たら相続に関する判例>証人の署名押印が遺言者不在の危急時遺言

証人の署名押印が遺言者不在の危急時遺言

最高裁昭和47年3月17日判決
民集26巻2号249頁、判時663号59頁

<事実>

死期を悟った被相続人Aは遺言書を作成するべく承認B・C・Dを病室に呼び、1月27日の深夜から28日にかけて、遺産を後妻のEほかに遺贈する旨を口授し、Bはこれを筆記した。

Bは28日の午前に清書して署名捺印し、この書面にC・D署名のみを得たうえで、Aの病室にて3名立会のもとAに読み聞かせ承認を得た。

翌29日B・C・Dは弁護士Yの事務所に赴き、同所にてC・Dがすでにすませた署名の下に捺印した。

なお、遺言書の作成日付は28日である。

Aは1週間後に死亡し家裁で本遺言が確認されたため、Aの前妻の子Xより遺言執行者Yに対し遺言の無効確認を提訴した。

1審は遺言の方式は適式と認めたが、作成日付については28日ではなく29日であり、日付の記載に誤りがあるとして遺言を無効とした。

原審は方式違背の点については原審の判断を是認し、日付の点については危急時遺言には日付は要件とされていないとしてXの請求を棄却した。

Xは上告した。



<判旨>上告棄却

「右遺言にあたって立会証人のする署名捺印は、・・・遺言者の口授に従って筆記された遺言の内容を遺言者及び他の証人に読み聞かせた後、その場でなされるのが本来の趣旨とは解すべきであるが、本件のように、筆記者である証人が、筆記内容を清書した書面に遺言者Aの現在しない場所で署名捺印をし、他の証人名の署名を得た上、右証人らの立会のもとに遺言者に読み聞かせ、その後、遺言者の現在しない場所すなわち遺言執行者に指定された者の法律事務所で、右証人2名が捺印し、もって署名捺印を完成した場合であっても、その署名捺印が筆記内容に変改を加えた疑いを挟む余地のない事情のもとに遺言書作成の一連の過程に従って遅滞なくなされたものと認められるときは、いまだ署名捺印によって筆記の正確性を担保しようとする同条の趣旨を害するものとはいえないから、その署名捺印は同条の方式に則ったものとして遺言の効力を認めるに妨げないと解すべきである。

そして、・・・原判示の遺言書作成の経緯に照らせば、本件遺言書の作成は同条の要件をみたすものというべきである。」

無料相続メール相談はこちら

Amazonで相続判例を調べる
カテゴリ
共同相続人からの相続回復請求
遺留分減殺請求権の消滅時効
遺産分割終了後の相続人の存在
内縁の夫婦の一方の死亡とその相続人
養子の子の代襲相続
亡相続人の特別受益と代襲相続人の関係
亡相続人の寄与分と代襲相続人
遺言の要件を補充した相続人と欠格事由
非行を繰り返す推定相続人の廃除
遺言による相続人の廃除
離婚訴訟中の夫婦の一方からの廃除
不法行為による慰謝料請求は相続の対象
葬儀費用は葬式主宰者が負担
共同相続人全員の合意の不動産の売却代金
遺産分割前の保管相続財産へ相続分請求
死亡した連帯債務者の数人の相続人
保険金受取人の指定のない保険金
生命保険金受取人が死亡した場合の受取人変更
法定相続人の保険金の取得割合
生命保険金は特別受益の持戻しとならない
賃貸人の賃借相続人への解除の意思表示
家屋賃借人の内縁の妻の居住
扶養料の相続と扶養料の支払命令
共同相続人の一人の不動産の単独登記
相続放棄と登記
遺産分割後の登記を経ない不動産と第三者の対抗
遺贈の不動産の二重譲渡と登記と対抗
代襲相続人の寄与分の主張
家賃収入と遺産を併せて分割できない
一部の相続人の放棄の認定
相続人から不動産の共有持分を譲り受けた第三者
債権者による遺産分割請求権の代位行使
家裁は審判で分割に関する処分をできる
相続の承認放棄の熟慮期間の起算点
相続の承認放棄の熟慮期間の伸長
相続の単純承認の効果が生ずるとき
相続放棄受理前に遺産たる債権の取立て
相続放棄は詐害行為取消権の対象とならない
相続人である後見人が他の相続人の放棄
相続放棄の申述書は自署が原則
相続放棄無効の確認訴訟は不適法
相続放棄に法律上無効原因がある場合
取得時効完成後に相続財産管理人が選任
遺言執行者がある場合でも相続財産管理人が管理
実質上の配偶者と養親子は特別縁故者
被相続人のヒモ的存在の特別縁故性
被相続人の療養看護した看護婦の特別縁故性
傍系親族の特別縁故関係の否定
被相続人の死後の特別の縁故
約20年前の一定期間の縁故で財産分与
共有者の一人が相続人なくして死亡した共有持分
相続開始後25年を経た財産分与申立
不倫相手に遺贈する遺言も有効
特定の遺産を「相続させる」旨の遺言
受遺者が作成した遺言書に遺言者が署名
自筆証書遺言の判定は筆跡の鑑定
英国人作成のタイプライターによる自筆証書遺言
日付について運筆を助けた自筆証書遺言
日付が封筒に記載された自筆証書遺言
帰化した外国人が作成した押印のない自筆証書遺言
加除訂正の方式違背の遺言の効力
証人の立会いが筆記の終了後の公正証書遺言の効力
公正証書遺言の立会証人が視覚障害者
先に書面作成され口授された公正証書遺言の効力
遺言者が公証人の意思確認だけの公正証書遺言
証人の署名押印が遺言者不在の危急時遺言
遺言者の生前の遺言無効確認の訴え
遺言者の死後の遺言無効確認の訴え
遺言無効確認の利益の有無と生前贈与
相続債権者が代位して持分取得登記
農地の贈与者の死亡と知事の許可
相続人のない者から包括遺贈の不動産登記
受遺者から所有権移転登記は遺言執行者
遺贈を原因とする仮登記の抹消登記請求
負担付死因贈与で生前に負担を履行
扶養のための養子縁組で遺贈後の離縁
生前の寄付行為で遺言の寄付行為の取消
金銭の贈与の遺留分算定の貨幣価値
農家の遺産の維持に貢献した寄与分
全財産を贈与した場合と公序良俗違反
遺留分権利者の減殺請求権の意思表示
遺留分減殺請求が権利の濫用
夫婦関係の形骸化での遺留分減殺請求
遺産分割請求は黙示の遺留分請求の意思表示
遺留分減殺請求権と目的物返還請求権の消滅時効
遺留分放棄の申立の許可
相続放棄許可審判の取消申立を却下する審判へ抗告
相続開始後に放棄の取消を認められない
Copyright(C)相続がやって来たらAll Rights Reserved
免責事項
当サイトの情報を利用してトラブル等が発生しましても、管理人は一切責任を負うものではありませんのでよろしくお願いいたします