相続債権者が代位して持分取得登記

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相続債権者が代位して持分取得登記

最高裁昭和39年3月6日判決
民集18巻3号437頁、判時369号20頁

<事実>

被相続人Aは、遺産である本件土地をB1ないしB6に遺贈する旨遺言して死亡した。

YはAの法定相続人(相続持分の4分の1)であるが、Aの生前にZから金銭を借り入れ、公正証書を作成していた。

Aが死亡した後、ZはYに代位してその相続登記を経由した上、Yの持分について強制競売の申立を行った。

これに対し、遺言執行者であるXよりZに対して第三者異議の訴えを提起した。

1・2審ともにXの請求を棄却したためXが上告。



<判旨>上告棄却

「不動産の所有者が右不動産を他人に贈与しても、その旨の登記手続をしない間は完全に排他性ある権利変動を生ぜす、所有者は全くの無権利者とはならないと解すべきところ・・・、遺贈は遺言によって受遺者に財産権を与える遺言者の意思表示にほかならず、遺言者の死亡を不確定期限とするものであるが、意思表示によって物権変動の効果を生ずる点においては贈与と異なるところはないのであるから、遺贈が効力を生じた場合においても、遺贈を原因とする所有権移転登記のなされない間は、完全に排他的な権利変動を生じないものと解すべきである。

そして、民法177条が広く物権の得喪変更について登記をもって対抗要件としているところから見れば、遺贈をもってその例外とする理由はないから、遺贈の場合においても不動産の二重譲渡等における場合と同様、登記をもって物権変動の対抗要件とするものと解すべきである。

しかるときは、本件不動産につき遺贈による移転登記のなされない間に、亡Aと法律上同一の地位にあるYに対する強制執行として、Yの前記持分に対する強制競売申立が登記簿に記入された前記認定の事実関係のもとにおいては、競売申立をしたZは、前記Yの本件不動産持分に対する差押債権者として民法177条にいう第三者に該当し、受遺者は登記がなければ自己の所有権取得をもってZに対抗できないものと解すべきであり、原判決認定のように競売申立記入登記後に遺言執行者が選任せられても、それはZの前記第三者たる地位に影響を及ぼすものでないと解するのが相当である。」

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