負担付死因贈与で生前に負担を履行

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相続がやって来たら相続に関する判例>負担付死因贈与で生前に負担を履行

負担付死因贈与で生前に負担を履行

最高裁昭和57年4月30日判決
民集36巻4号763頁、判時1042号96頁

<事実>

被相続人Aは昭和35年に長男Xとの間で、「XはAに対し甲社に在職中毎月金3000円を送金し、また定期賞与金の半額を贈与する」との負担付で遺産全部について死因贈与契約を締結した。

上記契約に従い、Xは昭和54年3月に甲社を退職するまで毎月送金を続けてきたが、Aは遺産を次男のY1、三女のY2らに遺贈する旨の自筆証書遺言を作成して昭和54年5月に死亡した。

XよりY1・Y2および遺言執行者Y3に対し、遺言の無効確認を求めて提訴。

Xは遺言の無効理由として、死因贈与契約により遺産はXの所有となっており遺贈は相続財産に属さない権利についてなされたものである旨主張した。

1審は民法554条により準用される同法1022条・1023条により死因贈与は取り消したものとみなされると判示してXの請求を棄却し、原審も前掲昭和47・5・25の最判を引用し控訴を棄却したためXより上告した。



<判旨>破棄差戻し

「負担の履行期が贈与者の生前と定められた負担付贈与契約に基づいて受贈者が約旨に従い負担の全部又はそれに類する程度の履行をした場合においては、贈与者の最終意思を尊重する余受贈者の利益を犠牲にすることは相当でないから、右贈与契約締結の動機、負担の価値と贈与財産の価値との相関関係、右契約上の利害関係者間の身分関係その他の生活関係等に照らし右負担の履行状況にもかかわらず負担付死因贈与契約の全部又は一部の取消をすることがやむを得ないと認められる特段の事情がない限り、遺言の取消に関する民法1022条、1023条の各規定を準用するのは相当でないと解するべきである。」

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