売買無効確認並びに所有権取得登記抹消手続請求事件

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売買無効確認並びに所有権取得登記抹消手続請求事件

最判昭和30・12・26民集9巻14号2082頁

<事実>

XはYの養子で推定推定相続人であるが、両者の仲は悪く、YはXを追い出すためZと通謀し、自己所有の家屋を含む本件不動産を仮装売買し所有権移転登記をし、他へ転居の上、Xが現に住む本件家屋にZ一家を入居させた。

Xは、YとZに対し本件売買の無効確認と所有権移転登記の抹消を請求。

原審はこれを認め、本件売買は虚偽表示で無効とし、また推定相続人XはYの死亡によりYの権利義務を承継すべき期待権を有し、かつ、この権利は前記仮装売買と登記により現に侵害されているから、Xは本件売買の無効確認を求める利益を持つと同時に、XがYに対して有する右期待権侵害排除請求権に基づき、YがZに対してもつ右登記の抹消請求権を代位行使であるとした。

Yらが上告した。

<争点>推定相続人は、相続開始前その地位に基づき、被相続人がなした仮装売買の無効を主張したり、被相続人の権利の代位行使ができるか。



<判旨>破棄自判

確認の訴えは、即時確定の利益がある場合すなわち現にXの有する権利または法律的地位に危険または不安が存在し、これを除去するためYらに対し確認判決を得ることが必要かつ適切な場合に限り、許される。

しかし、推定相続人は、相続開始の際、被相続人の権利義務を承継すべき期待権をもつものではない。

それゆえ被相続人Y所有の本件不動産につき、X主張の如き売買及び登記がなされたとしても、Xが本件売買に関し即時確定の利益を有するとはいえない。

また推定相続人は被相続人に対し単に期待権を有するにすぎず債権を有するものではないから、債権者代位権の行使も認められない。

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