他人物売買と相続

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相続がやって来たら
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相続がやって来たら相続に関する判例2>他人物売買と相続

他人物売買と相続

最大判昭和49・9・4民集28巻6号1169頁

<事実>

X(控訴人・被上告人)は昭和39年4月に訴外Aに80万円を貸し付け、A名義で登記されていた本件不動産に抵当権を併せて代物弁済予約をした。

Aが弁済期に弁済しなかったため、Xは予約完結の意思表示をして所有権を取得したとして、本件不動産に居住するA(昭和41年8月12日死亡)の相続人Yらに対して明け渡しを求めた。

これに対してAの夫Y1は本件不動産をは自己に属すると主張した。

裁判所は、そうであるとすれば理工責任を相続しているとしてXの請求を認容した。

<争点>他人の不動産の売主が死亡し、その権利者が売主を相続したその他人は、売主が負う履行責任を相続するか。



<判旨>

他人の権利の売主が死亡し、その権利者が売主を相続した場合、権利者は売主の売買契約上の義務ないし地位を承継するが、そのために権利者自身が売買契約を締結したことになるものでもなく、売買の目的とされた権利が当然に買主に移転すると解すべき根拠もない。

また、権利者は、相続人として承継した売主の履行義務を直ちに履行することができるが、他面では権利者としてその権利の移転につき諾否の自由を保有しているのであり、それが相続による売主義務の承継という偶然の事由によって左右されるべき理由はなく、また権利者がその権利の移転を拒否したからといって買主が不測の不利益を受けるわけでもない。

それゆえ、権利者は、相続によって売主の義務ないし地位を承継しても、相続前と同様その権利の移転につき諾否の自由を保有し、信義則に反すると認められるような特別の事情のないかぎり、右売買契約上の売主としての履行義務を拒否することができるものと解するのが相当である。

この理は、売主がその相続人と共有する権利を売買の目的とした場合、また売買ではなく代物弁済とした場合も同様に妥当する。

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