相続財産の処分と法定単純承認

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相続がやって来たら
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相続がやって来たら相続に関する判例2>相続財産の処分と法定単純承認

相続財産の処分と法定単純承認

最判昭和42・4・27民集21巻3号41頁

<事実>

左官業を営む甲は、家出し行方不明になった約4ヶ月後に死体で発見され、相続人Yらは、甲が家出当夜死亡したこを確認した。

Yらの相続放棄の申述は受理された。

甲と家業に従事していたYは、甲の家出後に家業を有限会社組織にして引き続き従事していた。

甲の債権者Xは、Yの行為が相続財産の処分にあたり、法定単純承認があったとみなされるから、相続放棄の効力がなく、Yが甲の債務を承継したとして、その履行請求した。

原審は、自己のための相続開始を知らない者が民法921条1号本文の処分行為をしても、これにより同条による単純承認擬制の効力は生じないとして、Xの請求を棄却した。

Xは上告した。

<争点>相続財産の処分について法定単純承認の効果生ずるためには、自己のための相続開始に対しどの程度の覚知を要するか。



<判旨>上告棄却

「民法921条1号本文が相続財産の処分行為があった事実をもって当然に相続の単純承認があったものとみなしている主な理由は、本来かかる行為は相続人が単純承認をしない限りしてはならないところであるから、これにより黙示の単純承認があるものと推認しうるのみならず、第三者から見ても単純承認があったと信ずるのが当然であると認められることにある(大判大正9・12・12民録26号2034頁参照)。

したがって、たとえ相続人が相続財産を処分したとしても、いまだ相続開始の事実を知らなかったときは、相続人に単純相続の意思があったものと認めるに由ないから、右の規定により単純承認を擬制することは許されないわけであって、この規定が適用されるためには、相続人が自己のために相続が開始した事実を知りながら相続財産を処分したか、または、少なくとも相続人が被相続人の死亡した事実を確実に予想しながらあえてその処分をしたことを要するものと解しなければならない。」

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