公正証書における遺言者の口授

公正証書における遺言者の口授

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相続がやって来たら相続に関する判例2>公正証書における遺言者の口授

公正証書における遺言者の口授

最判昭和43・12・20民集22巻13号3017頁

<事実>

Aは、妻X1・子X2・子Y2と別れてY1女と同棲したが、自分の死後妻とY1の間で紛争が起きるのを防ぐために、本件不動産をこれら4名に均等に分与する旨を公正証書で遺言することにした。

公証人はY1から聴取した遺言の内容を筆記した上で、遺言者および立会証人に読み聞かせたところ、遺言者は「この土地と家は皆の者に分けてやりたかった」旨を述べ、これを承認して署名押印し、「これでよかったね」と述べた。

X1らは、遺言者Aが遺言の趣旨を口授することなしに作成された本件遺言は、民法が定める公正証書遺言の方式に違反し無効であると主張した。

原審は、遺言者の口授と公証人によるその筆記および読み聞かせの順序が逆になったとしても、口授と筆記がその趣旨において一致しており、遺言者が筆記の正確性を承認して署名押印した以上、本件遺言に方式違反はなく有効としたので、Xは上告した。

<争点>公正証書遺言の作成の過程で口授と筆記の順序が逆転した場合、その遺言は方式違反で無効となるか。遺言者の上記程度の発言を「口授」ということができるか、この程度で遺言者の真意が確認されたといえるか。



<判旨>上告棄却

「遺言の方式は、民法969条2号の口授と同条3号の筆記および読み聞かせることとが前後した止まるのであって、遺言者の真意を確保し、その正確を期するため遺言の方式を定めた法意に反するものではないから、同条に定める公正証書による遺言の方式に違反するものではない」。

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