自筆証書における誤記の訂正

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相続がやって来たら相続に関する判例2>自筆証書における誤記の訂正

自筆証書における誤記の訂正

最判昭和56・12・18民集35巻9号1337頁

<事実>

第一遺言である公正証書遺言に基づき本件建物の遺贈を受け、賃貸人たる地位を取得したXが、賃借人Y電気会社に対して不払いとなっている賃料の支払請求をした。

遺言者が後に作成した第二遺言である自筆証書遺言において、「従前に作成した遺言を取り消す」と記載されているので、Xは賃貸人の地位を取得していない、とのYの主張に対して、Xは、「右自筆証書には文字の加除があるにもかかわらず、加除変更の方式がとられていない」、と反論した。

1審は遺言が無効(方式違背)として結論付けたが、原審は結論において有効(遺言書の作成過程で書き損じた文字を訂正したにすぎないことを根拠とする)とした。

作成過程での加除変更にも民法968条2項は適用される、と主張して、Xは上告した。

<争点>訂正の手続を踏むべき場合と、その必要のない場合との境界が争われている。



<判旨>上告棄却

原審と同様に、第二遺言である自筆証書遺言の有効性を認めた。

「自筆証書中の証書の記載自体からみて明らかな誤記の訂正については、たとえ同項所定の方式の違背があっても遺言者の意思を確認するについて支障がないものであるから、右の方式違背は、遺言の効力に影響を及ぼすものではない」。

「本件において、遺言者が書き損じた文字を抹消したうえ、これと同一または同じ趣旨の文字を改めて記載したものであることが、証書の記載自体からみて明らかであるから・・・本件自筆証書遺言が無効となるものではないといわなければならない」。

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