遺言者生存中の遺言無効確認の訴え

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相続がやって来たら相続に関する判例2>遺言者生存中の遺言無効確認の訴え

遺言者生存中の遺言無効確認の訴え

最判平成11・6・11判時1685号36頁

<事実>

遺言者Y1(明治44年生まれ)は、財産を甥のY2に遺贈する旨の公正証書遺言を平成元年12月に作成した。

Y1には昭和63年頃から痴呆症状が現れていたが、平成元年4月から1ヶ月間入院し、平成2年2月にはアルツハイマー型老人性痴呆などと診断されて現在まで入院治療を受けている。

平成5年3月に家庭裁判所は、Y1がアルツハイマー型老年痴呆であるとした精神鑑定に基づき、心神喪失の情況にあるとしてY1を禁治産者とし、Y2を後見人に選定した。

Y1の病状は回復の見込みはない。

Y1の養子で唯一の推定相続人であるXは、本件遺言は意思能力の欠如かつ方式違反により無効であるとして、Y1の生存中に本件遺言の無効確認の訴えを提起した。

原審は、本件のように遺言者が遺言を取り消し、変更する可能性がないことが明白な場合には、その生存中でも遺言の無効確認を求めることができるとしたため、Y1・Y2が上告した。

<争点>遺言者の生存中に遺言無効確認の訴えを提起することが認められる場合があるか。



<判旨>破棄自判

「遺言は遺言者の死亡により初めてその効力が生ずるものであり、遺言者はいつでも既にした遺言を取り消すことができ、遺言者の死亡依然に受遺者が死亡したときは遺贈の効力は生じない(民法994条1項)のであるから、遺言者の生存中は遺贈を定めた遺言によってなんらの法律関係も発生しないもであって、受遺者とされた者は、何らかの権利を取得するものではなく、単に将来遺言が効力を生じたときに遺贈の目的物である権利を取得することができる事実上の期待を有する地位にあるにすぎない。

したがって、このような受遺者とされる者の地位は、確認の訴えの対象となる権利又は法律関係には該当しない」。

「遺言者が心神喪失の情況にあって、回復する見込みがなく、遺言者による当該遺言の取り消し又は変更の可能性が事実上ない状態にあるとしても、受遺者とされた者の地位の右のような性質が変わるものではない」。

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