負担付死因贈与と抵触する遺言

負担付死因贈与と抵触する遺言

相続がやって来たら
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相続がやって来たら相続に関する判例2>負担付死因贈与と抵触する遺言

負担付死因贈与と抵触する遺言

最判昭和57・4・30民集36巻4号763頁

<事実>

遺言者Aは、昭和35年5月、長男Xとの間に、XがB会社在職中毎月3000円以上を送金し、年2回の定期賞与の半額をAに贈与するものとし、Xがこれを履行した場合には、Aはその死亡と同時にその遺産の全部をXに贈与する旨の負担付死因贈与契約を締結した。

Xは、昭和54年3月にB会社を退職するまで負担を履行した。

ところが、Aは本件贈与契約があるにもかかわらず、昭和49年11月および昭和52年9月、その所有財産の一部を次男Y1、三女Y2の両名に遺贈する旨の自筆証書遺言をした。

やがて、Aが昭和54年5月に死亡し、Xは自分がAの全遺産を取得したとして、Yらに対して遺言無効確認の訴えを提起した。

1審・原審ともXの請求を退けたので、Xは上告した。

<争点>負担付死因贈与の受贈者がすでに負担の履行を行っている場合に、民法1022条・1023条の遺言取消の規定が準用されるか。



<判旨>破棄差戻し

「負担の履行期が贈与者の生前と定められた負担付死因贈与契約に基づいて受贈者が約旨に従い負担の全部又はそれに類する程度の履行をした場合においては、贈与者の最終意思を尊重する余り受贈者の利益を犠牲にすることは相当ではないから、右贈与契約締結の動機、負担の価値と贈与財産の価値との相関関係、右契約上の利害関係者間の身分関係その他生活関係等に照らし右負担の履行状況にもかかわらず負担付死因贈与契約の全部又は一部の取消をすることがやむを得ないと認められる特段の事情がない限り、遺言の取消に関する民法1022条、1023条の各規定を準用するのは相当ではないと解すべきである」。

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