遺言と抵触する生前処分

遺言と抵触する生前処分

相続がやって来たら
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相続がやって来たら相続に関する判例2>遺言と抵触する生前処分

遺言と抵触する生前処分

最判昭和43・12・24民集22巻13号3270頁

<事実>

M会社の創業者Aは、公正証書により、AのM社持株(約30万株)を基本財産とするS育英財団の設立を目的とした寄付行為をした。

ところが、その後、Aはこの遺言を撤回せずに、同持株の大部分(20万株)を基本財産とする同一目的のM育英財団の設立のための寄付行為を作成し、許可手続を行なった。

しかし、これに不備な点があったため、主務官庁の許可は得られないままであった。

Aは、その後約1ヶ月足らずで死亡し、そこで、Yは、遺言執行者としてS育英財団の設立許可申請書に主務官庁に提出した。

これに対して、M育英財団の理事に予定されていたX(Aの次男)が、本件遺言は無効であるとして遺言執行者不存在の確認等を求めて訴えを提起した。

1審はXが勝訴したが、原審ではYが勝訴した。

Xは上告した。

<争点>遺言による寄付行為後、これと矛盾する生前処分による寄付行為がされ、生前寄付行為につき主務官庁の許可前に遺言者が死亡した場合、遺言は撤回されたことになるのか。



<判旨>上告棄却

「遺言による寄付行為に基づく財団法人の設立行為がされたあとで、遺言者の生前処分の寄付行為に基づく財団設立行為がされて、両者が競合する形式になった場合において、右生前処分が遺言と抵触し、したがって、その遺言が取り消されたものとみなされるためには、少なくとも、まず、右生前処分の寄付行為に基づく財団設立行為が主務官庁の許可によって、その財団が設立され、その効果の生じたことを必要とし、ただ単に生前処分の寄付行為に基づく財団設立手続がされたというだけでは、その法律効果は生じないから、遺言との抵触の問題は生ずる余地がない」。

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