特定遺贈の効力

特定遺贈の効力

相続がやって来たら
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相続がやって来たら相続に関する判例2>特定遺贈の効力

特定遺贈の効力

大判大正5・11・8民録22号2078頁

<事実>

Aは「A名義でYに貸し付けた金員などについては、長男X以下3男4女および彼等の生母Bの8人に一定の割り合いで分与する」旨を遺言して死亡した。

債務者Yは各人に個別に弁済したようであるが、Xは、受遺者は遺贈債務者に履行を請求できるだけで債務者から直接取立てることはできないとして、Yに改めて全額の弁済を請求した。

原審は、特定遺贈の物件的効力説を前提に、本件貸金債権はAの死亡と同時に各受遺者に移転し、遺言執行者(X?)にはこれを取り立てる権能はないとしたため、Xが上告した。

<争点>遺言者の有する貸金債権などの特定遺贈は、遺言の効力発生によって即時当然に効力を生じ受遺者に権利が移転するのか、それとも遺贈義務者に対する遺贈の履行請求権が発生するにすぎないのか。



<判旨>上告棄却

遺贈は遺言者の意思表示であるから、遺言が表意者の死亡によって効力を生ずると同時に遺贈の目的たる財産は民法176条所定の物権的効力を生じ直接に受遺者に移転するのを本則とする。

このことは遺贈が包括遺贈でも特定遺贈でも異ならない。

包括受遺者に関する現行990条の規定を設けたのは相続人と同じく義務をも承継することを明らかにするためであって、包括遺贈の場合にのみ物権的効力を生ずると解するべきでないし、特定遺贈が債権的効力しか生じないとする特別規定は存在しないから、特定遺贈も物権的効力を生ずると解するのが相当である。

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