特別受益が金銭の場合の遺留分の算定

特別受益が金銭の場合の遺留分の算定

相続がやって来たら
スポンサードリンク
相続がやって来たら相続に関する判例2>特別受益が金銭の場合の遺留分の算定

特別受益が金銭の場合の遺留分の算定

最判昭和51・3・18民集30巻2号111頁

<事実>

被相続人Aは、妻B、次男X(原告・控訴人・上告人)、長男亡Cの子Y(被告・被控訴人・被上告人)とCの養子Dを残して昭和33年に死亡した。

Aは、昭和28年に、所有する不動産の一部をDに贈与し、また昭和31年にも、別の不動産をYに贈与し、いずれも所有権移転登記を経ていた。

そこで、Xは、Yに対し減殺の意思表示をし、当該不動産についてXへの所有権移転登記手続および引渡を求めて訴えを提起した。

これに対しYは、Xが大正12年から約3年間に現金4525円の贈与を受けていたから遺留分は侵害されていないと主張した。

1審は、Xが受贈した現金を、贈与時と相続開始時の貨幣価値の変動を考慮して換算評価(物価指数の比率を1対250とみる)し、またYが受贈した不動産を時価評価し、結局、Xの遺留分は侵害されていないと判示した。

原審も、贈与された金銭が費消されることなく、金銭またはこれと同視しうべき有価証券として貯蓄されていた等特段の事情の認められないかぎりという条件をつけて、1審の判断を支持した。

Xは上告した。

<争点>特別受益に該当する贈与財産が現金の場合、この価額を遺留分算定の基礎となる財産の価額に加えるにあたって、贈与時以降の貨幣価値の変動を考慮し贈与額を換算(評価換え)しなければならないか。



<判旨>上告棄却

「被相続人が相続人に対しその生計の資本として贈与した財産の価額をいわゆる特別受益として遺留分算定の基礎となる財産に加える場合に、右贈与財産が金銭であるときは、その贈与の時の金額を相続開始の時の貨幣価値に換算した価額をもって評価すべきものと解するが、相当である。

けだし、このように解しなければ、遺留分の算定にあたり、相続分の前提としての意義を有する特別受益の価額を相続財産に加算することにより、共同相続人相互の衡平を維持することを目的とする特別受益持戻の制度の趣旨を没却することとなるばかりでなく、かつ、右のように解しても、取引における一般的な支払の手段としての金銭の性質、機能を損う結果をもたらすのではないからである」。

無料相続メール相談はこちら

Amazonで相続判例を調べる
カテゴリ
売買無効確認並びに所有権取得登記抹消手続請求事件
遺言無効確認請求事件
遺産分割前の相続人による相続建物の利用関係
婚外子相続分差別の合憲性
相続人の廃除
共同相続人間における相続回復請求
民法884条の20年の期間の性質と起算点
表見相続人からの譲受人と相続回復請求権
相続財産共有の性質
遺産分割か共有分割か
生命保険金の相続財産性
死亡退職金の相続財産性
可分債権・債務の相続
他人物売買と相続
無権代理と相続
遺産分割前の現金の相続
ゴルフ会員権の相続性
公営住宅使用権の相続性
相続させる旨の遺言の効力
祭祀財産の承継
特別受益財産であることの確認を求める訴え
遺産分割の前提問題と遺産分割審判
遺産分割後の非嫡出子の分割請求
遺産分割協議と要素の錯誤
遺産分割協議と民法541条による解除
共同相続と登記
遺産分割と登記
相続放棄と登記
遺贈と登記
指定相続分と登記
民法915条の熟慮期間の起算点
相続財産の処分と法定単純承認
限定承認と相続によって得た財産
相続放棄と詐害行為取消権
包括受遺者がいる場合と民法951条
共有持分の特別縁故者へ分与
相続財産の国庫帰属の時期
カーボン複写による遺言と自書
自筆証書遺言の日付が吉日
自筆証書遺言で氏を欠いた場合
自筆証書遺言に拇印を押した場合
他人の添え手による遺言の効力
数葉にわたる遺言書の効力
自筆証書における誤記の訂正
公正証書における遺言者の口授
危急時遺言の方式
視力障害者の証人適格
共同遺言の禁止
痴呆高齢者の遺言能力
遺言者生存中の遺言無効確認の訴え
遺言の後継ぎ遺贈
特定遺贈の効力
不倫関係にある女性への包括遺贈の効力
遺言執行者の法的地位と権限
遺言執行者がある場合における相続財産処分
特定不動産を相続させる旨の遺言と遺言執行者の登記手続義務
遺言と抵触する生前処分
負担付死因贈与と抵触する遺言
遺言の撤回と当初の遺言の復活
特別受益が金銭の場合の遺留分の算定
遺留分算定の基礎となる財産額
遺留分減殺請求権の性質
遺留分減殺請求と民法177条
価額弁償
遺留分減殺請求権の消滅時効
包括遺贈の減殺と遺留分権利者に帰属する権利の性質
Copyright(C)相続がやって来たらAll Rights Reserved
免責事項
当サイトの情報を利用してトラブル等が発生しましても、管理人は一切責任を負うものではありませんのでよろしくお願いいたします