遺言の後継ぎ遺贈

遺言の後継ぎ遺贈

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相続がやって来たら相続に関する判例2>遺言の後継ぎ遺贈

遺言の後継ぎ遺贈

最判昭和58・3・18民集36巻3号143頁

<事実>

亡Aが作成した11項目に及ぶ自筆証書遺言の条項には、本件不動産を妻Yに遺贈するが、家業の営業に必要なので一応そのままにして、Yの死後はXらが分割所有する旨の記載があった。

本件不動産の遺贈を受けたとしてYが自己名義の所有権移転登記をしたため、Xは、本件不動産はYの死亡を停止条件としてXらに遺贈されたものである。

もしくは内容が不明確な本件遺言は無効であるとして、遺贈存在の確認及び所有権移転登記抹消を請求した。

原審は、当該条項はいわゆる「後継ぎ遺贈」であるが、Xらへの遺贈の部分はAの希望を述べたにすぎないとしてXの請求を退けたため、Xが上告した。

<争点>遺言解釈の目的は何か。遺言者の真意を確定する手段は遺言書の記載に限られるか、遺言書作成の事情なども考慮することができるか。いわゆる「後継ぎ遺贈」は有効か。



<判旨>破棄差戻し

遺言の特定の条項を解釈するにあたっては、単に当該条項のみを他から切り離してその文言を形式的に解釈するだけでは不十分で、遺言書の全記載との関連、遺言書作成当時の事情及び遺言者の置かれていた状況などを考慮して遺言者の真意を探求し、当該条項の趣旨を確定すべきである。

遺言書の記載からするとAの真意は、@原判決のように解する余地もあるが、A本件不動産の所有権をXらに移転する負担のついたYへの遺贈、BYの死亡時に本件所有権がYにあるときはその時点で所有権が移転するという趣旨のXへの遺贈、CYには本件不動産の使用収益権のみを付与したYの死亡を不確定期限とするXへの遺贈、のいずれかと解する余地もある。

本件遺言書から本件不動産に関する条項のみを取り出し「後継ぎ遺贈」という類型に当てはめ、第一次遺贈のみを有効とした原判決には遺贈の法令解釈を誤ったか、審理不尽の違法がある。

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